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水槽水面に細かい泡が発生する原因を知りたい
- 水槽水面の細かい泡が水槽にもたらす影響を知りたい
- 水槽水面の細かい泡を消す方法を知りたい
このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
実は水槽水面にできた細かい泡は、見た目以外にも悪影響を及ぼします。
なぜなら、水面の泡が消えないのは水質悪化が原因だからです。
この記事では、今まで何度も水槽水面の泡や油膜の発生と対処を行ってきた経験から、水面に泡や油膜が発生する原因と効果的な対策方法を紹介します。

この記事を読むと水槽水面の泡が消えて、きれいな水槽を鑑賞できるようになるよ。
水槽の水面に細かい泡が発生する原因
水槽水面に細かい泡が発生するのは富栄養化、つまり水が汚れていることが原因です。
特にタンパク質が多くなると泡が消えにくくなり、同時に油膜が発生することもあります。
水が汚れている原因は飼育方法によって異なりますが、以下のことが原因となっていることが多いです。
- フィルターのろ過能力不足
- 餌の与えすぎ
- 過密飼育
- 生体の死骸や枯れた水草の放置
- 水換え不足
- 水草の肥料
水槽水面の細かい泡を放置してはいけない理由
水面の泡や油膜が発生することによって以下のような影響があります。
鑑賞性の低下
水面の泡や油膜は鑑賞性を大きく低下します。
泡は水槽側面から見ても見えやすく、油膜は水槽上部から見ると照明の光を反射してギラギラと水が汚い印象を受けます。
悪臭の発生
泡の発生原因は富栄養化であり、汚れた水は悪臭を放ちます。
水面に泡が多いと感じたときは、まず水のにおいを嗅いでみるといいです。不快なにおいがしたらまず間違いなく富栄養化が原因です。

十分にろ過された飼育水はほぼ無臭だよ。
生体が病気になる
水槽水面の泡の発生において最も注意しなければならないのが生体への影響です。
水が汚れたまま対策を行わず放置すると、生体が病気になってしまう可能性が高いです。
水面の泡や油膜は水槽環境が良いときには発生しないものなので、不調のサインです。そのままにせず、すぐに対処するようにしましょう。
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水面に泡が発生して良いことは何もない
- すぐに対策した方がいい
実際に効果が大きかった水面の泡対策方法
水槽水面の泡や油膜は水質悪化が原因のため、水槽内の水をきれいに保つことが対策となります。
水面の泡発生時に実際に行ってみて簡単な上に効果の大きかった、おすすめの対策方法を紹介します。
ろ過能力の高いフィルターを設置する
最も簡単かつ効果が高いと感じたのは水槽にろ過能力の高いフィルターを設置することです。
フィルターのろ過が間に合わないと水が汚れるため泡が発生しますが、ろ過能力の高いフィルターを設置するとろ過が間に合い、泡が消えます。

高確率で水面の泡を消すことができるよ。
フィルターの購入費用はかかりますが、簡単で大した手間も増えずに効果が永続的なのがメリットです。
ろ過能力が高いフィルターは上部フィルターや外部フィルターとなりますが、外部フィルターの方が小型~大型水槽まで幅広く対応する商品が存在します。

個人的には60cm規格水槽ならGEXメガパワー6090、それ以下の水槽ならGEXメガパワー2045がおすすめです。
関連記事>>>GEXメガパワー6090徹底レビュー|7年使った正直な感想/a>
関連記事>>>【設置自由度が高い】外部フィルターGEXメガパワー2045レビュー
フィルターは現在設置しているフィルターにプラスして設置してもいいですし、ろ過能力の高いものに置き換えてもいいです。
ただし、ろ材にバクテリアが定着するまでは新旧両方のフィルターを稼働させるようにしましょう。
もともと設置しているフィルターが投げ込み式フィルターや外掛けフィルターなどのろ過能力の低いフィルターであるほど水質改善効果が見込めます。

水槽に対して大きすぎるフィルターを設置すると水流が強くなりすぎるから水槽に合ったサイズを設置しよう。

私は水槽サイズに適した外部フィルターを設置するようになってから水面に泡が発生したことはないです。
与える餌の量を見直す
餌の食べ残しは一気に水を汚してしまいます。
ろ過能力の高いフィルターを設置しても、食べ残しが多い水槽では水がきれいになることはありません。
餌の量を適正に見直すことで水面の泡を改善できる可能性は高いです。
適した餌の量を測るのが大変であり、時間がかかりますが、一度わかってしまえば効果はずっと続くのがメリットです。

『1匹当たりこれくらい』という目安を持っておくと、水槽内の生体の数が変化しても測り直す必要がありません。
飼育している生体にもよりますが、餌は意外と少なくても熱帯魚は問題なく生きていくことができます。

たっぷり栄養をつけて産卵させたい場合は別だけどね。
餌の量を見直す場合は、生体のお腹の膨れ具合をよく観察しながら徐々に量を減らして適切な餌の量を決めていきましょう。

1度に与える餌の量を少しにして、1日に複数回与えるのも食べ残しを減らすのに効果的です。
関連記事>>>【与える頻度で調整】コリドラスに適した餌の量を徹底解説【目安も紹介】
水槽の掃除方法を見直す
意外と効果があるのが水槽の掃除方法を見直すことです。
ただ水を換えるだけでは水槽内に汚れが蓄積したままになっており、すぐに水が汚れてしまいます。
水槽内に蓄積する汚れは主に餌の食べ残しや生体の糞です。
これらは水槽の底に蓄積するため、水換えをするときは水槽の底から水を吸い上げるようにすると汚れが水槽外に排出され、きれいに保つことができます。
ちょっとやり方を工夫するだけで簡単に効果が得られるのがメリットです。
関連記事>>>初心者でもできるコリドラス飼育におすすめの水換え方法【9つの手順】

水草など、水槽のレイアウトによっては難しい場合もあります。
フィルターの掃除を見直す
人によってはフィルター掃除を見直すことも大きな効果を得ることができます。
水換えをしてもフィルターが汚いとフィルター自体が水を汚すようになります。
特に気を付けたいのが、普段掃除していない部分がないかです。
例えば外部フィルターや上部フィルター、外掛けフィルターなどに多いストレーナースポンジ。
メインのろ材ではないですがしっかりとろ過をしており、汚れが溜まりやすい部分でもあります。
他にもほとんど掃除しない部分がある場合は要注意です。

外部フィルターのホース内なども要注意。汚れていると水を汚すだけでなく、水流が弱まる原因になります。
また、フィルターは掃除のタイミングも重要であり、洗いすぎても洗わなすぎても水質を悪化させてしまいます。
適度な頻度での掃除を心がけましょう。

外部フィルターの掃除タイミングの見極め方は以下の記事で解説しているよ。
関連記事>>>【目安も紹介】外部フィルターの掃除頻度と手間をかけない掃除方法
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水質改善が水面の泡の対策となる
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おすすめはフィルター強化、餌の適量化、水槽掃除の工夫、フィルターの掃除見落とし箇所特定
その他の水面の泡対策方法
効果の高い水面の泡対策方法を事情があって実施できない場合や、実施してもまだ泡が消えない人向けに他の方法を紹介します。
水換え時にカルキを抜く
基本的ですが意外と忘れられがちです。
水換え時に新しく水槽内に入れる水のカルキを抜かないと水面に泡が発生する原因になる可能性があります。
なぜなら、カルキはフィルターのバクテリアにダメージを与えるためバクテリアが増えづらく、バクテリアが増えないとろ過能力不足から水質が悪化するからです。
カルキの濃度が低い地域であったとしても、水温や水の需要変動によって濃度は変化しているのでカルキは必ず抜くようにしましょう。
関連記事>>>【熱帯魚飼育の基本】水道水から簡単にカルキを抜く方法
エアレーションをする
エアレーションをすると水面の泡が増えてしまうと考えがちですが、実は減らすのに有効な手段です。
設置してすぐは確かにエアレーションの泡が残ってしまい見た目には増えてしまう可能性が高いですが、エアレーションを使うことで水中の酸素量が増えるためバクテリアの繁殖しやすい環境を作ることができます。
バクテリアが繁殖すればろ過能力が向上するため水質は改善し、泡や油膜も消えます。
特に夏場の水温が上昇して溶存酸素量が減っている時期には非常に有効な手段です。
水温を下げる
水温が30℃を超えるなど高水温になっている場合は、水温を下げることで泡や油膜を取り除ける可能性があります。
水温が上昇すると水に溶けることができる酸素の量が減少するため、生体に影響は出なかったとしてもバクテリアは酸欠で死んでしまう可能性があります。
バクテリアが減少するとろ過能力が低下し水質悪化を引き起こすため、クーラーや冷却ファン、人間用のクーラーなどを使用して高水温化を避けることで溶存酸素量を増やし、酸欠によるバクテリアの減少を抑えることができます。

冷却ファンを設置するだけでも水温上昇をある程度抑えることができます。
関連記事>>>【夏も冬も適温】コリドラス飼育に必要な水温管理方法
死骸や枯れた水草を除去する
水槽内に生体の死骸や枯れた水草がそのまま放置されているのは餌の食べ残しが大量に放置されているのと同じように水質を急速に悪化させます。
死骸などに気づいたらすぐに取り除くようにしましょう。
ろ過能力に余裕がある水槽では生体の死骸や枯れた水草があってもバクテリアによってしっかりと分解されますが、基本的には取り除かなくてはいけません。
関連記事>>>【埋葬は注意】気持ちで選ぶ小型熱帯魚の死骸処理方法3選
水草の肥料の量を控える
水草に肥料を与えている場合は、量を減らすことで水面の泡の改善が見込めます。

特に液肥を使用している場合は水中全体に肥料がまわって富栄養化を起こしやすいです。
ただし、育成している水草によっては肥料を減らすと調子を崩してしまうこともあるので、実施する場合は慎重に行う必要があります。
水換え頻度を増やす
水が汚れるよりも早く水換えを行えば常にきれいな状態を保つことができます。
普段の水換えの頻度にまだ余裕がある人は検討してみると効果の高い方法です。
ただし、もともとある程度水換えを行っている人は手間が増えて維持が大変になってしまいますし、毎日水換えをするような状態になると生体へのストレスも大きいため別の方法を検討する必要があります。
関連記事>>>コリドラス飼育に知っておきたい水換え頻度の考え方【水換えしすぎにも注意】
水槽サイズを大きくする・水槽の数を増やす
水槽のサイズを大きくするか、水槽をもう一つ追加して生体の数を半分ずつに分ける方法です。
使用する場所が増え・お金がかかり・手間も増えてしまうなどデメリットが多いですが、過密飼育が原因の場合は非常に効果が高いです。
余裕がある方は試してみると泡が消える可能性は高いです。

水槽のサイズ、個数に合わせてフィルターも用意する必要があります。
関連記事>>>【飼育数で決める】コリドラス飼育におすすめの水槽サイズ
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カルキ抜き、エアレーション、水温低下、死骸や枯れ草の除去、肥料を少なくする、水換え頻度の増加、水槽サイズアップ、水槽の追加も効果がある
- 簡単に実施できることから試すといい
まとめ
水槽水面の泡や油膜は水質が悪化することで発生します。
見た目だけでなく生体が病気になる可能性が高くなるため、対策を実施する必要があります。
根本的に解決するには水質の改善が必要となり、方法はたくさんありますが、それぞれの水槽で原因と考えられることを1つ1つ潰していくと必ず改善することができます。

手っ取り早くておすすめなのはろ過能力の高いフィルターの追加です。
関連記事>>>ろ過能力と相性で選ぶコリドラス飼育におすすめのフィルター
水槽をきれいに保つことができるようになると、生体が長生きするようになるので泡や油膜が消える以上の大きなメリットがあります。
是非チャレンジしてみてください。