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外掛けフィルターのランニングコストを安くしたい
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外掛けフィルターのろ過能力をアップさせたい
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外掛けフィルターの改造方法を知りたい
このような悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
実は市販の状態のまま外掛けフィルターを使用してもあまりメリットはありません。
なぜならろ材が使い捨てであるためランニングコストがかかる上に、ろ過能力も高くないからです。
この記事では、外掛けフィルターのろ過能力を簡単・低価格にアップさせる改造方法について詳しく解説します。
この記事を読むと外掛けフィルターのろ過能力が上がる原理と改造方法がわかるようになるよ。
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改造することでリングろ材やスポンジ・ウールマットなどが使えるようになり、ランニングコストがかからなくなる
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ろ過能力がアップするが過信は禁物
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外掛けフィルターの改造は費用100円で簡単に誰でもできる
外掛けフィルターの特徴
外掛けフィルターは水槽の壁面にフィルターを掛けて使用するフィルターで、市販の状態だと以下のような特徴があります。
外掛けフィルターは蓋を1つ取るだけで簡単にろ過槽にアクセスできるため、ろ材を取り出しやすく非常にメンテナンスがしやすいフィルターです。
また、本体価格も比較的安価に購入することができ、ろ過槽を水槽壁面の外側に掛けるように設置するため水槽内には吸水部のみを入れればよいことから水槽内を広く使うことができます。
吸水は水中モーターで行うためエアリフト式に比べて音が静かなことも特徴です。
しかし、ろ材は化学ろ過を使用しているため、しばらく使用していると化学反応を起こさなくなり定期的にろ材を交換する必要があることから手間とランニングコストがかかります。
また、水槽の壁に掛けて使用するため、ろ過槽は大きくない上に、ろ過槽のスペースを非効率な使い方をしているため、ろ過能力が低いことがデメリットです。
改造することでリングろ材やスポンジ・ウールマットが使える
外掛けフィルターは改造することでメリットはそのままにデメリット減らすことができ、小型水槽での使用では非常に使いやすい最強と言ってもよいフィルターになります。
『改造』と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが仕切り板を1枚自作するだけなのでとても簡単で、改造費用も100円しかかかりません。
改造後のメリット・デメリットは以下のようになります。
ろ材はリングろ材やスポンジ・ウールマットなどが使えるようになるため他のフィルター同様に使用期限が長く、ランニングコストはほとんどかかりません。
ろ材はろ過槽に対して効率よく入れることができるようになるため、ろ過能力を強化することができます。
そもそものろ過槽が小さいから過度な期待は禁物だよ。
関連記事>>>【小型水槽ならアリ】コリドラス水槽と外掛けフィルターの相性を徹底解説
改造前後のろ過原理
外掛けフィルターの改造前と後では水の流れが変わります。
改造する外掛けフィルターのメーカーや商品によって多少改造方法が変わる可能性がありますが、どのような水の流れを作ればよいかを理解していればどの商品でも応用が利きます。
改造前の水の流れ
外掛けフィルターは水中モーターで水槽内の水をくみ上げ、ろ過槽に供給します。
ろ過槽に供給された水は透水性のある板状のろ材を通過することでろ過され、再び水槽内に排水されます。
ろ材はろ過槽に対して少ない体積となることからろ過能力が低く、化学ろ過を行うろ材のため使用期限が短いことがデメリットとなります。
では単純にろ材をリングろ材やウールマットのような生物・物理ろ過が可能なろ材と交換し、ろ過槽全体に満たせばよいかというとそうではありません。
ろ材をろ過槽いっぱいに敷き詰めただけだと水は抵抗の少ない表面を流れるようになり、ほとんどろ過されないまま水槽内に戻っていくことになります。
さらにろ過槽の下部では同じ水がずっと溜まったままの止水域となり、水質悪化の原因となる嫌気バクテリアが繁殖してしまいます。
改造後の水の流れ
ではどうすればよいのかというと、仕切り板を1枚追加するだけで簡単に解決することができます。
仕切り板があることによって水はろ過槽表面を流れることができなくなり、一度ろ過槽の最下部までろ材の中を通過した後、さらに最上部までろ材の中を通って排水されるようになります。
ろ過槽のスペース内をすべてろ材で満たすことができるようになるためろ過能力が向上し、ろ材もリングろ材やスポンジ・ウールマットなどなんでも使えるようになります。
このようにろ過槽内いっぱいに満たしたろ材の中を通過しなければ排水されないように水の流れを作るのが外掛けフィルターの改造のポイントです。
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市販状態の外掛けフィルターはろ過槽にたいしてろ材の量が少なく非効率
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単純にろ過槽にろ材を入れただけではろ過能力は向上しない
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仕切り板を1枚追加するだけで使えるろ材が増え、ろ過能力を向上させることができる
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水の流れを理解しておけばどのメーカーの商品でも応用できる
仕切り板を自作して外掛けフィルターをカスタムする方法
改造によるメリットやろ過槽内の水の流れが理解できたら実際にどのように改造するかの手順をご紹介します。
今回はテトラAT-30を例に改造しますが、改造後のろ過槽内の水の流れが同じになればよいのでサイズ違いのテトラAT-50などでも使えますし、他のメーカーの商品でも考え方は同じです。
PPシートを用意する
最初にダイソーのPPシートという商品を用意します。
ダイソーでなくても100均に似た商品は多数販売されています。
PPシートではなく下敷きなどでも作成することはできますが、下敷きだと硬すぎて加工が少し手間になります。
また、PPシートはサイズが大きいため小型の水槽であれば余った部分をバックスクリーンとして活用することができます。
外掛けフィルター内の仕切り板はほぼ見えないからバックスクリーンにしたい色を選ぶといいよ。
関連記事>>>【置くだけ簡単】水槽のバックスクリーンをダイソーなどの100均商品で自作する方法
必要な仕切り板の大きさを測る
PPシートが用意できたら次は必要な個所を測定して仕切り板の縦横の大きさを決定します。
測る場所は2か所で1つ目は外掛けフィルターを通常使用するときにろ材を差し込む部分の幅です。
テトラAT-30の場合はろ過槽の幅が膨らんでいる部分に差し込むようにろ材を入れるので、この幅を測ります。
2つ目はろ過槽の高さです。高さは背面か側面を測りましょう。
前面は排水するために低くなっており、水が仕切り板を乗り越えてしまう可能性があります。
背面や側面の高さ通りに作ると外掛けフィルターの蓋が閉まらなくなってしまうので5mm程度短めにするとよいです。
テトラAT-30の場合は横8cm、縦14cmとなります。
仕切り板の寸法を決める
加工する縦横の長さがわかったら仕切り板の詳細寸法を決定します。
長さを測定した結果からテトラAT-30の仕切り板の寸法は以下の通りです。
①は改造なしの場合にろ材を差し込む箇所の幅であり、測定が必要な個所です。(AT-30の場合は8cm)
②はろ過槽の高さであり、測定が必要な個所です。(AT-30の場合は14cm)
③はろ過槽下部で水が折り返すための穴の幅に影響します。
穴が小さいと水が流れる量が制限され逆流しやすくなるためフィルターのサイズにかかわらず1cm固定がよいです。
④はろ過槽下部で水が折り返すための穴の高さに影響します。
穴の高さを高くしすぎるとろ過槽にそのままろ材を入れた状態と同じになってしまうため基本的には2cmでよいです。
外掛けフィルターに取り付けてみて水が逆流してしまったりするなど問題がある場合は穴の高さを調節しましょう。
PPシートを加工する
完成品の寸法がイメージできたらPPシートに印をつけて加工します。
定規やメジャーで長さを測りながらマジックなどで以下の赤点の部分の印をつけていきます。
余った部分をバックスクリーンにする場合は最初にPPシートのどこを切り取るかを水槽の大きさと合わせて考えておきましょう。
印がつけ終わったら印同士を結ぶように切り取ります。
PPシートはあまり硬くないためカッターでもハサミでも切り取ることができます。
仕切り板は測定したサイズよりも小さいと水が流れてはいけない箇所から水が流れて使い物になりませんが、大きい分には仕切り板がたわむだけで使用可能なので加工に自身のない方は1~2ミリ大きめに作っても良いです。
切り取ったら仕切り板は完成です。
外掛けフィルターに設置する
最後に完成した仕切り板を外掛けフィルターに設置します。
設置場所は測定した本来ろ材を差し込む箇所に穴が下になるように仕切り板を差し込みます。
あとは仕切り板の前後のろ過槽にお好みのろ材を入れてください。
ろ材を入れすぎると水が流れにくくなることによって逆流するので様子を見ながらろ材の量を調整してください。
ろ過槽から逆流した水がつまみの下部を通って水槽に逆流しているよ。ろ材を減らして逆流しないように調整しよう。
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仕切り板はPPシートを使用すると柔らかいため加工しやすく、余りをバックスクリーンに使える
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加工に自身のない方は1~2ミリ大きめに作るとよい
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仕切り板の穴の大きさやろ材の量は取り付け後に様子をみて調整する
ストレーナースポンジでさらにろ過能力アップ
外掛けフィルターのろ過能力をさらにアップさせたい場合はストレーナースポンジを取り付けるとよいです。
ストレーナースポンジとは吸水部分のスポンジのことで、外掛けフィルターにはほとんどの商品に付属していないため、別で購入する必要があります。
外掛けフィルターの吸水部は水草やゴミなどが詰まりやすく、詰まるとフィルターの吸水量が少なくなってしまいます。
また、底砂にボトムサンドや田砂などの粒の小さな砂を使用している場合は舞った砂を吸い込みやすく、吸い込んだ砂が水中モーターに詰まって動作が止まってしまうことがあります。
水中の水草を集めて上の画像のような状態になることが多いよ。
ストレーナースポンジを取り付ければこれらの現象を緩和することができ、スポンジフィルターとしても機能することから若干のろ過能力アップが期待できます。
ストレーナースポンジは各メーカーが外掛けフィルター専用の商品を販売しており、適したものを吸水部にはめるだけです。
純正はちょっと高いので以下の商品がおすすめです。
大体の商品に使えますが事前にレビューを読んで確かめておくといいです。
さらにろ過能力が必要なら外部フィルターの設置を検討
外掛けフィルターは改造することによって使いやすく、ろ過能力も向上しますがろ過槽自体が小さいため過度な期待はできないフィルターです。
高いろ過能力が欲しい・外掛けフィルターを改造したがまだろ過能力が足りないという方は外部フィルターの設置を検討してみるとよいです。
ろ過槽が大きくろ過能力が高いため水を汚しやすい生体や多数の生体を飼育している水槽でも水質が安定しやすくなります。
外部フィルターは60cm規格水槽ではGEXメガパワー6090、60cm規格水槽未満の水槽ではGEXメガパワー2045がおすすめです。
関連記事>>>【呼び水不要】おすすめの外部フィルターGEXメガパワー6090レビュー
関連記事>>>【設置自由度が高い】外部フィルターGEXメガパワー2045レビュー
まとめ
外掛けフィルターは市販の状態のまま使用すると、ろ材に使用期限があることによりランニングコストがかかり、ろ過能力も低いなどデメリットの多いフィルターです。
しかし、改造することでデメリットの大半はなくなり、とても使いやすいフィルターとなります。
改造の方法は外掛けフィルターのメーカーや商品によって多少異なる場合がありますが、改造後のろ過原理と水の流れを理解していればどの商品にも応用できます。
改造にはダイソーのPPシートを使用すると100円しかかからず、余った部分を水槽のバックスクリーンにすることもでき非常にコストパフォーマンスがよいです。
仕切り板はハサミとマジックさえあればできるため、誰でも簡単に作ることができるので外掛けフィルターを持っている、または購入を検討している方は一度試してみてください。
さらにろ過能力をアップさせたい、吸水部が詰まって困っている方はストレーナースポンジもおすすめです。