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水槽水面に油膜が発生する原因を知りたい
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水槽水面の泡が消えない原因を知りたい
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水面の油膜を取るための方法を知りたい
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水面の泡を消す方法を知りたい
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油膜や泡が生体に与える影響を知りたい
これらのことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
実は水槽水面に発生した油膜や泡をそのまま放っておくと生体に悪影響を及ぼす可能性があります。
なぜなら水槽水面の油膜や泡の発生原因は水質悪化によることが多く、水質の悪い状態で長期間飼育していると生体は病気になってしまうからです。
この記事では水槽水面に油膜や泡が発生する原因と対策方法を解説します。
この記事を読むと油膜や泡の発生原因と対策がわかるようになって、常にきれいな水槽を維持できるようになるよ。
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油膜や泡の原因は水質悪化
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見た目だけならキッチンペーパやユマクリアで改善できる
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対策は水槽の管理やろ過能力を強化し、水のきれいな水槽にすること
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放置は生体が病気になるためNG
水面の油膜や泡立つ原因は水質悪化
水槽水面の油膜と泡は同時に発生することも多い現象ですが、これは原因が同じであるからです。
油膜や泡は水質悪化が原因であり、生体の死骸や食べ残しなどから発生したタンパク質が水面に浮かぶことで発生します。
油膜や泡が消えない場合は普段の生体の飼い方を見直すことが最も大切です。
本来タンパク質はフィルター内のバクテリアによって分解されるため蓄積することはないのですが、ろ過よりも汚れるほうが早かったりフィルターが正常に機能していない場合はどんどん溜まっていきます。
油膜は粘度が高いため、水中の酸素などが抜けにくく泡となり水面に長くとどまり続けます。
水面に油膜や泡が発生したからと言ってすぐに何とかしなければならない危険な状態というわけではありませんが水質悪化の目安となるため早めに対策を行っておいたほうが安心です。
また、生体が体を底砂などに擦り付けるような動作を行っている場合は早急な対策が必要な段階まで来ているサインです。
コリドラスの場合の不調時の特徴は以下の記事で解説しています。
関連記事>>>【病気の早期発見に必須】元気がないコリドラスを見分ける13の特徴
水槽水面の油膜や細かい泡がもたらす影響
水面の油膜や泡が発生した状態では以下の2点の悪影響があります。
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鑑賞性を損ねる
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生体が病気になる可能性がある
水面の油膜は照明の光を反射してギラギラと目立ちますし、泡は水槽を汚く見せてしまいどちらも鑑賞性を損ねる原因となります。
アクアリウムは見て楽しむものであるため非常に大きなデメリットといえます。
また、水面に油膜や泡が発生する原因は水質悪化のため、そのまま長期間放置していると生体が病気になったり死んでしまう可能性があります。
特に水質に敏感な種類を飼育している場合は気を付けたほうがいいよ。
すぐにできる水槽の油膜や泡を消す方法
水面の油膜や泡は鑑賞性を損ねるため、すぐ簡単に行える見た目をよくする方法を紹介します。
根本的原因の解決にはならないため根本対策と合わせて行うと良いです。
新聞紙やキッチンペーパーで吸い取る
キッチンペーパーなどを油膜や泡の発生している水面にやさしくかぶせることで油膜や泡ごと水を吸い取ってしまう方法です。
お金をかけずに簡単に油膜や泡を取り除き、水槽をきれいに見せることができます。
しかし、表面の水だけ取っても根本的な解決にはなっていないためしばらくすると再び発生する可能性が高いです。
とりあえず急ぎで見た目を改善したい場合には非常に効果がありますが、別で必ず根本的な解決策を行う必要があります。
寿工芸 ユマクリアを使用する
寿工芸から発売されているユマクリアというフィルターは水面の油膜や泡に有効です。
ユマクリアは普通のフィルターとは異なり、水面から吸った水をスポンジのろ材を通して水中に排出するため水面の油膜や泡を効率よく除去することができます。
ただし、フィルターとして小型で大きなろ過能力を持っているわけではないため、油膜や泡が取れても水質悪化は改善していない場合もあります。
油膜や泡が消えたとしてもしっかりと水質悪化が起きている原因を突き止めて対策を実施する必要があります。
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水面の水をキッチンペーパーで吸ったり、ユマクリアを使うと簡単に油膜や泡は消すことができる
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水質悪化という根本原因が解決していないと生体に影響するため、普段の水槽管理を必ず見直すこと
油膜や泡を除去する根本対策
水面の油膜や泡の原因は水質悪化なので、根本原因をなくすには水槽内の水質を常にきれいに保つ必要があります。
すでに立ち上げ済みの水槽の水質を改善するには以下のような手段があります。
水槽サイズを大きくする・水槽の数を増やす
過密飼育は生体の数だけ餌を与える必要があることや、生体の糞の量も増えるため水が汚れやすい飼育方法です。
生体によって消費される酸素も多いためバクテリアが酸欠になり死んでしまいやすく、フィルターの濾過能力が増えにくいというデメリットもあります。
飼育当初は適正な数で飼育していたとしても時間が経つにつれ飼育したい熱帯魚が増え、気づいたら過密飼育になっていたということもあります。
過密飼育の場合は水槽サイズを大きくするか、水槽の数を増やして水槽1つあたりの生体の量を減らす必要があります。
関連記事>>>【飼育数で決める】コリドラス飼育におすすめの水槽サイズ
水換え頻度を増やす
水が汚れるよりも早く水換えを行えば常にきれいな状態を保つことができます。
普段の水換えの頻度にまだ余裕がある人は検討してみるととても効果のある方法です。
ただし、もともとある程度水換えを行っている人は手間が増えて維持が大変になってしまいますし、毎日水換えのような状態になると生体へのストレスも大きいため別の方法を検討する必要があります。
毎日水換えをしなければならないような水槽は異常なため、必ず水換え以外の対策方法が存在します。
関連記事>>>コリドラス飼育に知っておきたい水換え頻度の考え方【水換えしすぎにも注意】
水槽の水換え方法を見直す
水換えは水槽の汚れを外に排出する効率的な方法ですがやり方が間違っていると効果は薄れてしまいます。
水換えは水槽内の水を交換するだけでなく、効率的に水槽内の汚れを外に排出するように行わなければなりません。
水槽内の汚れとは餌の食べ残しや生体の糞などを指しますが、これらは水槽の底面に沈んで蓄積するため水換えは水槽の底から吸い上げるように行うと汚れが取れやすく水槽内をきれいにすることができます。
関連記事>>>初心者でもできるコリドラス飼育におすすめの水換え方法【9つの手順】
水草など水槽のレイアウトによっては難しい場合もあります。
関連記事>>>【シンプルが一番】コリドラス飼育におすすめの水槽レイアウトを徹底解説
水換え時にカルキを抜く
水換え時に新しく水槽内に入れる水のカルキを抜いていないと水質が悪化する可能性があります。
カルキは生体だけでなくフィルターのバクテリアにもダメージを与えるため、バクテリアが増えづらい環境となりろ過能力不足から水質が悪化します。
水道水をそのまま水槽に入れているという方はまずはカルキ抜き剤を購入してカルキを抜けば、油膜や泡の発生は改善する可能性があります。
関連記事>>>【熱帯魚飼育の基本】水道水から簡単にカルキを抜く方法
フィルターをろ過能力の高いものにする
フィルターをろ過能力の高いものにすれば水質を改善することができます。
現在水槽に使用しているフィルターが投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターといったろ過能力の低いフィルターの場合は外部フィルターや上部フィルターといったろ過能力の高いフィルターに変更することで大幅な改善が期待できます。
関連記事>>>ろ過能力と相性で選ぶコリドラス飼育におすすめのフィルター
ただし、ろ過能力の高いフィルターは水流も強くなるため小さな水槽に設置すると生体に大きなストレスがかかるため飼育水槽に適したサイズのフィルターを選ぶ必要があります。
また、新たにフィルターを設置する場合はバクテリアが定着するまで時間がかかるため、新しいフィルターにバクテリアが繁殖するまで既設のフィルターを外さず設置した状態にしておきましょう。
バクテリアの定着した既設のフィルターを外してしまうと一気に水質が悪化してしまう可能性があります。
外部フィルターは以下の商品がおすすめです。
関連記事>>>【呼び水不要】おすすめの外部フィルターGEXメガパワー6090レビュー
関連記事>>>【設置自由度が高い】外部フィルターGEXメガパワー2045レビュー
フィルター掃除頻度を見直す
フィルターは洗わなすぎても洗いすぎても水質悪化を引き起こしてしまうため掃除する頻度が非常に難しい装置です。
水槽内の汚れはフィルターを通してろ材に溜まっていきますが洗わなすぎると、水槽内の水が汚れたろ過槽を常に通過するようになるため水質がどんどん悪化します。
逆に洗いすぎるとろ材を洗う時に汚れを分解するバクテリアがダメージを受けて数が減ってしまうため、なかなか増えることができなくなってしまいます。
バクテリアの少ないフィルターはろ過能力が低くなるため結局水質悪化が起こってしまいます。
目安として生体が体を底砂などに擦り付けている場合はフィルターの洗わなさすぎ、フィルターを掃除したときに掃除した飼育水が黒くならないようであれば洗いすぎです。
目安を参考に自分の水槽のフィルターは適切な頻度で掃除できるか見直すとよいでしょう。
また、掃除のときにろ過槽以外の部分に汚れが溜まることによって水質悪化が起こっている場合もあるので注意が必要です。
外部フィルターのホース内やインペラー・スポンジフィルターのパイプ内などは水流の低下からフィルターがろ過能力を発揮できなくなるため要注意の部分です。
関連記事>>>【目安も紹介】外部フィルターの掃除頻度と手間をかけない掃除方法
関連記事>>>【目詰まり注意】スポンジフィルターの掃除方法と寿命の見極め方
エアレーションをする
エアレーションをすると水面の泡が増えてしまうと考えてしまいがちですが、実は減らすのに有効な手段です。
設置してすぐは確かにエアレーションの泡が残ってしまい見た目には増えてしまう可能性が高いですが、エアレーションを使うことで水中の酸素量が増えるためバクテリアの繁殖しやすい環境を作ることができます。
バクテリアが繁殖すればろ過能力が向上するため水質は改善し、油膜や泡も消えます。
特に夏場なのどの水温が上昇して溶存酸素量が減っている時期には非常に有効な手段です。
水温を下げる
水温が30℃を超えるなどの高水温になってしまっている場合は水温を下げることで油膜や泡を消すことができる可能性があります。
水温が上昇すると水に溶けることができる酸素の量が減少するため生体に影響は出なかったとしてもバクテリアは酸欠で死んでしまう可能性があります。
バクテリアが減少すると濾過能力が低下して水質悪化を引き起こすためクーラーや冷却ファン、人間用のクーラーを使用することによって高水温化を避けることで溶存酸素量を増やし酸欠によるバクテリアの減少を抑えることができます。
冷却ファンを設置するだけでも水温は大きく変わります。
関連記事>>>【夏も冬も安心】コリドラス飼育に必要な水温管理方法
餌の量を見直す
たくさん食べて大きくなってほしいためたくさんの餌を与えてしまいがちですが、餌の食べ残しは水質を一気に悪化させるため与えすぎは厳禁です。
餌を与えてから5分経過してもまだ水槽内の生体が餌を食べきれていないようなら与えすぎです。
たくさん餌を与えたい場合は1度にたくさんの餌を与えるのではなく、少量の餌を複数回与えると良いです。
餌を取るのが下手な生体と混泳している場合も複数回餌を与えることで餌にありつける確率が上がります。
おすすめは朝晩の2回ですが水槽や生体、ご自身の生活リズムに合った頻度を模索するとよいです。
関連記事>>>【与える頻度で調整】コリドラスに適した餌の量を徹底解説【目安も紹介】
死骸や枯れた水草を除去する
水槽内に生態の死骸や枯れた水草がそのまま放置されているのは餌の食べ残しが大量に放置されているのと同じように水質を急速に悪化させます。
死骸などに気づいたらすぐに取り除くようにしましょう。
ろ過能力に余裕がある水槽では生体の死骸はバクテリアによってしっかりと分解されるため、放置するのも1つの手段ですが水面に油膜や泡が発生している状態では非常に危険です。
関連記事>>>【埋葬は注意】気持ちで選ぶ小型熱帯魚の死骸処理方法3選
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水面の油膜や泡を除去する方法は水をきれいに保つ方法と同じ
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水を汚すものをなるべく発生させずに・効率よく除去し・バクテリアを繁殖させることが対策となる
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たくさんの方法があるため自分に合ったものから試すとよい
まとめ
水槽水面の油膜や泡は水質が悪化し、水中のタンパク質が水面に浮いてくることで発生します。
水面の水をキッチンペーパーなどで吸うことで一時的に見た目を改善することはできますが、根本的解決にはなりません。
根本的に解決するには水質の改善が必須となります。
水質の改善方法は非常にたくさんありますが、それぞれの水槽で普段の管理方法を思い返して原因と考えれられるところを1つ1つつぶしていくことで必ず改善することができます。
手っ取り早くておすすめなのはろ過能力の高いフィルターの追加です。
水槽をきれいに保つことができるようになるということは生体が病気にならず長生きできる環境を作ることができるということなので油膜や泡が消えるだけではない大きなメリットがあります。
是非チャレンジしてみてください。
水質だけでなく水温をしっかりと管理できるようになれば生体が死んでしまうことは少なくなります。
水温管理方法については以下の記事で解説しています。
関連記事>>>【夏も冬も安心】コリドラス飼育に必要な水温管理方法