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水槽用ヒーターの種類を知りたい
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水槽サイズに適したヒーターを知りたい
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コリドラスと相性のよいヒーターの特徴を知りたい
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コリドラス飼育におすすめのヒーターを知りたい
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コリドラスのヒーターなしでの飼育方法を知りたい
このような悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
実はヒーター選びを間違えるとコリドラスが病気になったり死んでしまう可能性があります。
なぜなら、コリドラスは基本的にはヒーターなしでは生きていけない熱帯魚なため、ヒーターに十分な加熱性能がなかったり、故障してしまうと水温の低下がそのままコリドラスの健康に影響するからです。
この記事ではコリドラスと相性の良いヒーターの特徴とおすすめヒーターを紹介します。
この記事を読むとコリドラスだけでなく飼育条件ごとに相性の良いヒーターがわかるようになるよ。
コリドラス飼育の流れは以下の記事で解説しています。
関連記事>>>【初心者でも難しくない】元気に長生きさせるコリドラスの飼育方法
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水中ヒーターはサーモスタット別体型・サーモスタット一体型・オートヒーターに分けられる
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45cm規格水槽なら100W、60cm規格水槽なら150Wの加熱性能のヒーターが良い
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コリドラスはカバー付きのサーモスタット別体型ヒーターと相性が良い
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別体型ならエヴァリスマイクロセーフパワーヒーターかニッソープロテクトヒーターがおすすめ
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オートヒーターならエヴァリスプリセットオートヒーターかテトラミニヒーターがおすすめ
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エアコンで室温を管理すればヒーターなしでもコリドラスは飼育可能
熱帯魚の飼育にヒーターは必須
ヒーターは電気を流すことで発熱し、水温を上昇させる装置です。
日本に生息する魚は日本の気候に適応しているため不要ですが、海外に生息する『熱帯魚』と呼ばれる魚には基本的には必須の装置です。
アクアリウムで使用されるヒーターは大きく水中ヒーターとその他ヒーターに分けられ、その他ヒーターの中にはインラインヒーターとパネルヒーターがあります。
インラインヒーターは外部フィルターのホースに接続して使用しますが、価格が高く交換に手間もかかります。
パネルヒーターは水槽の下に敷き、発熱することで間接的に水を温めますが加熱性能が高くないため小さな水槽やボトルアクアリウムで使用されるヒーターです。
価格が安価であり使い勝手が良いことから、アクアリウムでは一般的に水中ヒーターが使用されます。
水中ヒーターの種類
サーモスタット別体型
ヒーターは大きく分けて2つの部品で構成されており、1つはヒーター部分で実際に発熱し水を温める効果があります。
ヒーター部分だけだと水温は常に上昇し続け、熱帯魚が生息できない水温まで上がってしまうため、もう1つの部品であるサーモスタットで水温を測定し一定の水温以上になるとヒーターが発熱しないように電流をカットします。
電流をカットする水温は商品にもよりますが1℃単位で設定できることが多く、生体に適した水温を維持することができます。
サーモスタット別体型ヒーターはヒーターとサーモスタットが別々の商品として販売されており、組み合わせて使用するヒーターのことです。
ヒーターとサーモスタットは別々のメーカーでも組み合わせることができ、2つの商品を購入する必要があるため初期投資額が高くなることが多いです。
しかし、ヒーターは消耗品であり2年程度で壊れてしまうため、定期的に買い替える必要があります。
壊れるのはヒーター部分のみでありサーモスタットが壊れることはほとんどないため、別体型であればヒーター部分のみ買い替えることでサーモスタットはそのまま使い続けることができ長い目で見ると安くなることが多いです。
サーモスタット一体型
ヒーター部分とサーモスタット部分が一体となったヒーターです。
ヒーターとサーモスタットを別々で購入するよりも安価に購入することができます。
しかし、ヒーターとサーモスタットは取り外すことができないためヒーターが壊れるとサーモスタットごと買い替える必要があり、長い目で見ると割高になることが多いです。
また、ヒーターが壊れても生体に致命的な影響を与えないように水槽内に2本ヒーターを設置しようとすると、サーモスタットも2個購入することになってしまいます。
メリットとしてはヒーターとサーモスタットがセットになっているため、組み合わせを考える必要がなく手軽に水槽に導入できることです。
また一体型でもサーモスタットの水温設定は1℃単位で調整できる商品が多いです。
オートヒーター
サーモスタット一体型と同じくヒーターとサーモスタットが1つになった商品です。
違いは何℃まで温めるかの設定ができないことであり、商品ごとに維持する水温があらかじめ決められています。
設定温度は複数あり26℃、23℃、18℃など大抵の観賞魚は飼育できる水温になっています。
水温設定の必要がないためコンセントにさすだけで使用することができ、初心者には扱いやすい商品であり、加熱性能の低い小型水槽に適した商品が豊富なことも特徴です。
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水中ヒーターはサーモスタット別体型・サーモスタット一体型・オートヒーターに分けられる
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サーモスタット別体型は初期費用が高くランニングコストが安い
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サーモスタット一体型は初期費用が安くランニングコストが高い
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オートヒーターは小型水槽向け
水槽サイズごとに必要なヒーターの加熱性能
水槽のサイズが大きくなるにつれて水量も増えるため、ヒーターの加熱性能も水量に適したものを設置する必要があります。
ヒーターの加熱性能はワット(W)で表され、ワットの数値が高いほど加熱性能が高いヒーターとなります。
大きな水槽に加熱性能の低いヒーターを設置すると設定温度まで水温を上げることができませんし、小さい水槽に加熱性能の高いヒーターを設置するとヒーターが稼働すると急激な水温変化が起きるため生体に悪影響を及ぼします。
ヒーターは水槽のサイズに適した大きさを設置する必要があり、適した大きさは以下の通りです。
水槽サイズ | ヒーターの消費電力 |
---|---|
上記は規格水槽での水量だよ。スリム水槽など規格水槽でない場合は()内の水量を目安にヒーターの大きさを決めてね。
サーモスタット別体型ヒーターがコリドラスと相性が良い理由
水中ヒーターの中で最もコリドラスと相性の良いヒーターはサーモスタット別体型ヒーターで、理由は以下の3つです。
1つのサーモスタットにヒーターを2本接続できる
ヒーターは消耗品であり、ある日突然壊れてしまう日が訪れます。
壊れて水槽内にヒーターがなくなると水温は急激に低下し、コリドラスが病気になってしまう可能性があります。
対策として水槽内に2本のヒーターを設置して1本壊れても、もう1本で急激な水温低下を防ぐ方法があります。
しかし、サーモスタット一体型やオートヒーターではヒーターと同じ数だけサーモスタットも用意する必要があります。
サーモスタット別体型であれば1つのサーモスタットに電力内であれば複数のヒーターを接続することができるため、コストが安く済み水槽周りもごちゃごちゃしません。
300Wまでのサーモスタットであれば300Wのヒーター1本、150Wのヒーター2本、100Wのヒーター3本のどれでも問題なく使用することができます。
上の画像は600Wのサーモスタットだよ。300Wのサーモスタットはコンセント差込口が1つしかないから分岐させる必要があるよ。
水槽サイズを変更しても使いまわせる
コリドラスは種類が多くコレクション性の高い熱帯魚です。
飼育しているうちに飼育したい種類が増え、水槽が手狭になってしまい水槽のサイズアップをすることはよくあります。
サーモスタット別体型であればサーモスタットの電力内であればヒーター部分のみを交換するだけで対応することができます。
例えば300Wのサーモスタットに100Wのヒーターを付けて45cm水槽で飼育しており、飼育数を増やすために60cm水槽にサイズアップしたとしてもサーモスタットはそのままにヒーターだけを100Wから150Wに変更するだけで水温を維持できるようになります。
100Wを2本で運用するのもおすすめです。60cm規格水槽には若干電力が高い程度なので問題なく維持できますし、既存の100Wヒーターも無駄になりません。
結果的にコストは安くなる
種類にもよりますがコリドラスの寿命は長く10年前後もあります。
関連記事>>>【夜行性?毒がある?】コリドラスの生態と寿命について知っておきたい基礎知識
寿命まで飼育することは簡単なことではありませんが、寿命までの飼育を目標にしている方が大半だと思います。
10年もあればヒーターは複数回壊れるため、サーモスタット一体型やオートヒーターよりもサーモスタット別体型の方が安くなる可能性は高いです。
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故障時の対策になる
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飼育したい種類が増えてもサーモスタットは使いまわせる
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寿命までの飼育を想定すると安くなる可能性が高い
小型水槽での飼育にはオートヒーター
サーモスタット別体型のヒーターは100Wが一番小さいことが多く、適正水量は45cm規格水槽です。
もっと水量の少ない水槽で飼育する場合は合う大きさがないためオートヒーターを使用するとよいです。
オートヒーターは最低10W~と少ない消費電力からの商品が豊富であり、ヒーター部分も小型なためスペースの少ない小さな水槽に適した作りになっています。
個人的には45cm規格水槽以上のサイズでの飼育を推奨しています。
関連記事>>>【飼育数で決める】コリドラス飼育におすすめの水槽サイズ
ヒーターカバーは付いている方が良い
ヒーターには加熱部がむき出しのタイプとカバーで覆われているタイプが存在します。
コリドラスはヒーターの上に乗ったり、ヒーターの下の影で休んだりすることが多く、火傷の可能性を下げるためにカバー付きの商品のほうが相性が良いです。
ただし、カバーの隙間に小さな熱帯魚などは挟まって死んでしまうこともあるため、コリドラス以外の混泳する熱帯魚がカバーと相性が悪くないか事前に確認しておきましょう。
コリドラス飼育におすすめのヒーター
コリドラス飼育に相性の良いヒーターの特徴がわかっても実際にどの商品を選べばよいかわからない人に向けて、サーモスタット別体型ヒーターとオートヒーターからそれぞれ2個ずつおすすめのシリーズを紹介します。
シリーズの中から飼育する水槽のサイズに合ったワット数のヒーターを選ぶとよいです。
エヴァリス マイクロセーフパワーヒーター
エヴァリスというメーカーが提供する単体のヒーターで、使用するには別売のサーモスタットが必要になります。
信頼性・故障時の早期発見を重視する方におすすめしたいヒーターです。
エヴァリスのヒーターはアクアリウムだけでなく、医療関連やトイレタンク用ヒーター、植物水耕栽培用など異業種にも使われており非常に信頼性が高いです。
日本製なのも信頼性が高いです。
価格も単体ヒーターの中では安価でありながら、発火しない事故消化性樹脂を使用しており、もしもの時も安心です。
代わりに樹脂の特性上、本体色がグレーになるよ。水槽と合うか検討してね。
ラインナップは100,150,200Wがあり交換用キスゴムも販売されているため、長く使用して水槽に吸着しなくなっても安心です。
ヒーターに通電ランプが点いておりサーモスタットを見なくても水槽を鑑賞しているだけで通電しているかが確認できます。
また、ヒーターの通電ランプと水温計の水温やサーモスタットの通電ランプを比較することでヒーターが故障しているかどうかが簡単にわかるため、故障時に迅速な対応ができます。
個人的には一押しヒーターです。
ニッソー プロテクトヒーター
大手アクアリウムメーカーのニッソーが提供する単体のヒーターです。
使用するには別売のサーモスタットが必要になります。
ヒーターを綺麗にレイアウトしたい方におすすめのヒーターです。
ヒーターとコードの接続部がL型キャップになっているため水槽の端に綺麗に設置することができ、コード部分にもキスゴムがついているため配線も目立たない位置を通して水槽外まで通すことができます。
110,160,220,300,500Wとラインナップが多く大型水槽まで対応することができます。
また100~200Wでは10~20W消費電力が大きく設定されているため、寒い地域に住んでいてもう少し加熱性能が欲しい方にも相性が良いです。
エヴァリス プリセットオートヒーター
エヴァリスが提供するオートヒーターで水槽に入れてコンセントにさすだけで水温を26℃に自動でキープしてくれます。
信頼性重視かつ小型水槽で飼育したい方におすすめです。
10~200Wまで細かいラインナップがあり、小型水槽であれば飼育する水槽に合った大きさのヒーターを選ぶことができます。
30~100Wまではキスゴムが4つで安定した取り付けが可能です。
テトラ ミニヒーター
テトラが提供するオートヒーターでコンセントにさすだけで水温を26℃に自動でキープしてくれます。
価格重視で安く設置したい方におすすめのヒーターです。
非常に安価であり45cm規格水槽や60cm規格水槽で使用してもサーモスタット別体型と同等かそれ以上の低コストで運用することができます。
縦置きが可能なのも使いやすく、スペースのない小型水槽と相性が良いです。
ただし、キスゴム1つで水槽壁面に吸着させるためコードに負荷がかかるとヒーターが斜めになり安定しません。
また若干当たり外れがあるため十分理解した上で購入する必要があります。
メーカーの対応はとても迅速・丁寧です。
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45cm規格水槽以上、信頼性・故障早期発見重視 ⇒ エヴァリス マイクロセーフパワーヒーター
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45cm規格水槽以上、レイアウト重視 ⇒ ニッソー プロテクトヒーター
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45cm規格水槽未満、信頼性重視 ⇒ エヴァリス プリセットオートヒーター
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45cm規格水槽未満、コスト重視 ⇒ テトラ ミニヒーター
おすすめサーモスタット
おすすめヒーターで紹介したエヴァリス マイクロセーフパワーヒーターとニッソー プロテクトヒーターは単体のヒーターのため別売のサーモスタットが必要になります。
90cm水槽まで使える消費電力300Wまでのサーモスタットは以下の商品がおすすめです。
ニッソー シーパレックス300NEO
ニッソーが提供するサーモスタットです。
300のほかにも600,1000Wの3種類があり、300の設定可能水温は15~35℃です。
ニッソーは古くからサーモスタットを販売しており非常に信頼性が高いメーカーです。
安価でありながら耐久性が高く、機能面でも±1℃の精度で水温を測定できるため、設定した水温にしっかりと合わせることができます。
また、ニッソー プロテクトヒーターと合わせるとニッソーで統一することができます。
もちろん別メーカーのヒーターでも使用可能だよ。
GEX NX003N
GEXが提供するサーモスタットです。
300W以外の種類はなく、設定可能水温は15~35℃です。
水温の測定精度は±1.5℃と少し精度が悪いですが、価格が安いのがメリットです。
大手アクアリウムメーカーが販売するサーモスタットの中では最も安価であり、作りもシンプルなため初心者の最初の1台としておすすめできるサーモスタットです。
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信頼性・精度重視 ⇒ ニッソー シーパレックス300 NEO
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コスト重視 ⇒ GEX NX003N
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90cm以上の水槽で飼育 ⇒ ニッソー シーパレックス600 or 1000 NEO
ヒーターなしでの飼育方法
コリドラスは南米に広く分布する熱帯魚であり、日本の冬は寒すぎるため基本的にヒーターの設置は必須です。
コリドラスの種類の中で最も丈夫といわれるコリドラスパレアタスはヒーターなしでも冬を越したという報告はありますが、低水温での飼育は危険なことに変わりはありません。
どうしてもヒーターを設置したくない場合は秋中~春中までの期間はエアコンを24時間稼働させるという方法があります。
注意したいのはエアコンを常に稼働させていても、大きな部屋では場所によって室温にムラができてしまうため、水温計で水温が何℃に維持できているかこまめに確認する必要があります。
室温=水温ではないことも要注意だよ。
関連記事>>>【位置に注意】水槽水温計の正しい取り付け方を徹底解説
まとめ
ヒーターは水温を上昇させる装置でアクアリウムでは主に水中ヒーターが使用されます。
水中ヒーターの中にはサーモスタット別体型・サーモスタット一体型・オートヒーターがありそれぞれ特徴が異なります。
コリドラスと相性が最もよいのはサーモスタット別体型で、100W未満のヒーターが必要な小型水槽で飼育する場合はオートヒーターを使うとよいです。
ヒーターカバーは火傷防止のため付いている商品のほうが安心です。
おすすめで紹介したヒーター・サーモスタットのそれぞれの特徴から最も自分に合った商品を選ぶとよいです。
基本的にヒーターの設置は必須ですが常にエアコンを稼働させて水温を管理していればヒーターを設置しなくても飼育することはできます。
ただし、室内での温度のばらつきや室温=水温ではないためヒーターを設置するよりも難易度は高くなる飼育方法です。
ヒーターが決まったら水槽のレイアウトを決めてコリドラスを迎える準備をしましょう。
コリドラスにおすすめのレイアウトは以下の記事で解説しています。
関連記事>>>【シンプルが一番】コリドラス飼育におすすめの水槽レイアウトを徹底解説
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