-
外部フィルターは掃除しないといけないのか知りたい
-
外部フィルターの掃除頻度を知りたい
-
外部フィルターを掃除する目安を知りたい
-
外部フィルターの掃除方法を知りたい
水槽に外部フィルターを設置するにあたってこのような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
実は外部フィルターの掃除は頻度が少なすぎても多すぎても生体に悪影響を及ぼします。
なぜなら頻度が少なすぎると水質悪化によって生体は病気になりますし、多すぎても掃除によるバクテリア減少によってろ過能力が低下し、結局水質悪化が起こるからです。
この記事では外部フィルターの掃除をすべき目安と掃除頻度の考え方について解説し、手間をなるべくかけない掃除方法を紹介します。
この記事を読むと掃除の過不足よる水質悪化を引き起こすことなく安定した水槽管理ができるようになるよ。
-
外部フィルターに限らずフィルターの掃除は必須
-
万人におすすめできる掃除頻度はなく、自分に合った頻度で習慣化するとよい
-
掃除頻度は水槽に合わせるのではなく、水槽を自分に合わせるべき
-
外側から外部フィルターの濾過槽を見て汚れているかどうかを掃除の目安にするとよい
-
頻度だけでなく正しい方法で掃除することも大切
外部フィルターの掃除は絶対に必要
外部フィルターはろ過能力が高く、60cm以上の比較的大きな水槽でたくさんの生体を飼育する場合や、小型水槽でも水を汚しやすい熱帯魚を飼育する場合に相性がよいフィルターです。
コリドラスなどの水を汚しやすく病気からの立て直しの難しい熱帯魚と相性がよいです。
関連記事>>>ろ過能力と相性で選ぶコリドラス飼育におすすめのフィルター
ただしろ過能力が高い反面、他のフィルターに比べて部品点数が多く掃除が面倒になるというデメリットも存在します。
水槽の水質を維持するためにはフィルターの掃除は必要な作業です。
面倒だからといって掃除をしなかったり適当な掃除を繰り返すと水質が悪化し、病気になる生体があらわれ、最終的には死んでしまうため、しっかりと掃除のポイントを抑えることが大事です。
外部フィルターメンテナンスによる水槽への影響
水槽内を綺麗に保つことができる
外部フィルターに限らずフィルターには必ず定期的な掃除が必要です。
外部フィルターは水槽内の汚れを取り除いてくれますが、汚れ自体は濾過槽の中に溜まり続けていきます。
水槽の水は濾過槽の中を循環しているため濾過槽の汚れが多くなると当然水槽の水も汚れてしまいます。
また濾過槽内で繁殖し、生物ろ過を行っているバクテリアには常に酸素を供給する必要があり、水流が酸素供給に重要な役割を果たしています。
しかし、汚れによってフィルターが詰まり流量が少なくなるとバクテリアは酸欠で死んでしまい、ろ過能力は低下します。
定期的に掃除をすることによって濾過槽内の汚れがとれ、バクテリアの生息しやすい環境になるため水槽の水を綺麗に保つことができます。
ろ過能力が一時的に低下してしまう
外部フィルターの汚れは濾過槽内のろ材に溜まっていきますので、外部フィルターを掃除する場合は必ずろ材を掃除することになります。
ろ材にはバクテリアが繁殖しており水槽内に発生した有害物質を毒性の低い物質に分解する役割を担っています。
しかし、掃除をすることによって汚れと一緒にバクテリアも流されてしまったり、ダメージを受けて死んでしまうため数が少なくなります。
ろ材の掃除に飼育水を使用することで死んでしまうバクテリアの数を抑えることができますが、総数として減少してしまうことは防げません。
ろ材の掃除によって減少したバクテリアは水槽に設置し数週間もすると繁殖し、元の数に戻りますが一時的とはいえ数が減少している間はろ過能力が低下します。
外部フィルターは水槽のメインフィルターになることが多いフィルターのため、掃除しすぎてしまうとろ過能力が低下し生体に深刻な影響を与えかねませんので、適度な頻度で掃除をすることが大切です。
-
外部フィルターに限らずフィルターには必ず定期的な掃除が必要
-
掃除のやりすぎはろ過能力低下を招く
フィルターの掃除タイミングの考え方
適切な掃除頻度を知るのは難しい
フィルターは適度な頻度で掃除することが望ましいですが、掃除頻度は以下の多くのことが影響して変化します。
-
水槽の大きさ
-
フィルターの大きさ
-
フィルターの設置個数
-
水換えの頻度
-
生体の飼育数
-
生体の種類
-
餌の量
飼育方法や設備は人によって異なるため、万人に共通しておすすめできる掃除頻度はありません。
また、どれくらいで掃除が必要かを見極めるのは経験によるところも大きく、慣れている人でも忙しいと病気になってしまう個体を発生させてしまうことはあります。
最適な水換え頻度は変化しやすく、見極めが難しく、見極めたとしても管理できない場合があるというのが現実です。
つまり『この水槽はどれくらいの頻度でフィルター掃除すればよいのか?』という考えで水槽を管理すべきではないということです。
掃除頻度はあらかじめ決めておく
おすすめの方法は最初に自分が無理なく実施できる掃除頻度を決めておいて、決めた期間ごとの掃除で維持できるように水槽を調整することです。
例えば平日は仕事が忙しい場合は、週末ごとまたは月末ごとに掃除をすると最初に決めて、決めた頻度で維持できる水槽を作ります。
水槽の水換え頻度も同じ考え方で管理するとよいです。
関連記事>>>コリドラス飼育に知っておきたい水換え頻度の考え方【水換えしすぎにも注意】
水槽の作り方は、これから水槽を立ち上げるのであれば生体の数を徐々に増やしていき、後に紹介する目安がみられるようになると生体の数を増やすのをストップするとよいです。
すでに水槽を立ち上げており、水質が安定しなくて困っている場合は以下の対策をとって自分の理想の掃除頻度でも維持できるところまで調整しましょう。
-
水槽を大きくする
-
水槽の数を増やす
-
フィルターをろ過能力の高いものにする
-
フィルターを増設する
-
餌の量が適正か見直す
いくらろ過能力が高く、水量が多くても餌の与えすぎはすぐに水質悪化を引き起こすため5番は必ず検討しましょう。
そして次に試したいおすすめの方法は4番です。
安価で掃除の簡単なフィルターを補助として追加で設置し、補助のフィルターだけ短い期間で掃除すれば水槽を置くような場所も必要もなく、手間もかからず、お金もあまりかけずに外部フィルターの掃除期間を延ばすことができます。
補助として設置するフィルターとしては、ある程度のろ過能力があり掃除が簡単で安価なスポンジフィルターがおすすめです。
関連記事>>>【コスパ最強】おすすめスポンジフィルター テトラツインブリラントフィルター
飼育している生体との相性を考えて選定するとよいでしょう。
-
水槽に合わせて掃除頻度を変えるのはうまくいかない場合が多い
-
掃除頻度は固定で水槽を合わせると長期で維持しやすい
外部フィルター掃除の目安
外部フィルターの掃除頻度をあらかじめ決めておく方法では、外部フィルターが汚れてしまっていることに気づかずに生体に悪影響がでてしまう可能性があるため最低限の掃除をする目安を知っておく必要があります。
外から見て濾過槽内が汚れている
目安の1つめは外部フィルターの濾過槽を外から見たときに汚れているかどうかです。
商品にもよりますが外部フィルターの濾過槽は半透明であることが多く、蓋を開けて内部を確認しなくても外部から汚れ具合を確認できます。
見えにくい場合は携帯とかでライトを当てると見えやすくなります。
リングろ材などの隙間に黒い汚れが蓄積している場合は濾過槽内が汚れてきていますので、そろそろ掃除をしたほうが良いです。
写真程度の汚れならまだまだ掃除しなくて大丈夫です。
簡単に外部フィルターの汚れの度合いを知ることができ、生体に影響が出る前に現象を確認できるため一番参考になる目安です。
自分に合った掃除頻度に水槽を合わせることができるまではなるべく頻繁に確認するようにしましょう。
放水量が少ない
目安の2つめは外部フィルターから水槽に放出される水量が少なくなっている場合です。
外部フィルターの故障も考えられますが、汚れで詰まっている可能性が高いです。
詰まりの原因箇所としては吸水部のストレーナースポンジ、インペラーや濾過槽内が考えられます。
上の画像が通常時の流量で下の画像がストレーナースポンジの汚れで流量が少なくなったときだよ。ストレーナースポンジは汚れやすいから要注意だよ。
フィルターのろ過能力は濾過槽の容量と循環する水量で決まるため、流れが悪くなるということはろ過能力低下に直結し非常に危険な状態です。
なるべく放水量に影響がでる前に外部フィルターを掃除しましょう。
すでに影響がでている場合はすぐに掃除する必要があります。
熱帯魚が体を底砂などに擦りはじめた
目安の3つめは水槽内の熱帯魚が体を底砂やシェルターなどに擦りつけて痒がっている場合です。
生体が体を痒がっているのは不調のサインで今すぐに対策が必要です。
外部フィルターが原因で生体が体を痒がるのはストレーナスポンジや濾過槽内に汚れが蓄積し、その中を水が循環することによって水質が悪化している場合です。
水中の栄養過多により水槽内の常在菌が大量繁殖している可能性が高く、放っておくとエロモナス病やカラムナリス病などを発症する場合が多いです。
水換えとフィルター掃除をした後、病気になっている個体がいないかしっかりとチェックしましょう。
チェック後は飼育方法の見直しが必須です。
生体が体を痒がっているのは寄生虫に寄生されている場合もあるからしっかりと見極める必要があるよ。
-
外部フィルター掃除の目安は以下の3つ
- 外から見て濾過槽が汚れている
- 放水量が少ない
- 生体が体を擦りつけている
-
極力1.で気づいて掃除する
外部フィルターの汚れやすい箇所と掃除方法
外部フィルターの掃除頻度について説明してきましたが、掃除方法が適切でないと水質悪化は起きてしまいます。
GEXメガパワー6090を例に外部フィルターの汚れが溜まりやすいポイントと掃除手順をご紹介します。
外部フィルターの種類によって多少構造は変わりますが大まかな手順は同じです。
電源を切る
最初に外部フィルターの電源を切ります。
外部フィルター本体に電源スイッチがついていない場合はコンセントを抜きましょう。
アクアリウムをしていると照明やヒーターなど電気の必要な機器が増えるためコードが多くなりやすく、ごちゃごちゃとした配線はテーブルタップごと水槽の裏側などの見えない場所に置くことが多いです。
そのため掃除の度にコンセントを抜くのは意外と手間なのでコンセントごとにON/OFFのスイッチのついたテーブルタップを購入すればコンセントは抜かずにスイッチを切るだけで掃除することができ便利です。
濾過槽をバケツに入れてボールタップを外す
濾過槽内には飼育水がたっぷり入っているため水がこぼれて床を濡らさないように濾過槽ごとバケツの中に入れます。
バケツは水換えなどにも必要になるため持っていない方は8リットル以上の大きさのものを1つ持っておくとよいです。
関連記事>>>アクアリウム初心者がコリドラス飼育時に必ず準備しておくべき道具14選
バケツに入れたら吸・放水両方のバルブを閉めます。
バルブは小型水槽用の外部フィルターだとついていない場合もあります。60cm規格水槽以上のフィルターだとほぼ必ずついています。
次にボールタップを緩めてフィルターの蓋からホースを外します。
少し水がこぼれますので注意して外してください。
フィルターとホースが離れたらバケツごと洗面所に移動します。
蓋を外す
洗面所の洗面容器に外部フィルター本体を置いて蓋の四隅のロックレバーを外します。
ロックレバーをすべて外したら、両サイドのリフトレバーを上げて蓋を外します。
少し硬いですが力いっぱい開けると濾過槽内の水がこぼれる可能性があるのでゆっくりと開けましょう。
飼育水でろ材を洗う
蓋が開いたら濾過槽内のろ材を洗っていきます。
最初に濾過槽内に溜まった飼育水をバケツの中に移します。
次に濾過槽内のろ材を取り出します。
GEXメガパワー6090の場合はろ材のバスケットが3つに分かれています。
ろ材によって洗い方は異なるからバスケットが分かれていると洗いやすいです。
取り出したろ材をバケツ内の飼育水で洗います。
ろ材に汚れが溜まっていると飼育水が真っ黒になるので、汚れてきたら飼育水を一度捨てて飼育水槽からバケツに移してすべてのろ材を洗います。
水道水を使ったほうが綺麗だと思いがちですが、水道水にはカルキなどの薬剤が入っており、ろ材に繁殖したバクテリアにダメージを与えるため必ず飼育水を使用して洗うようにしましょう。
リングろ材の洗い方はバケツ内にリングろ材を入れて、手でガサガサとゆすぐだけです。
リングろ材がネットに入っているとバケツの中でバラバラにならないので洗いやすいです。
現在バラバラのものを使っている場合はキッチンの排水溝用のネットなどに入れるだけで同じように使うことができます。
スポンジろ材の洗い方はろ材をバケツの中に入れて、手で5~10回ほど揉みます。
ろ材は綺麗にしっかり洗いたくなるかもしれませんが、洗いすぎはバクテリアの数を減らすだけです。
リングろ材は表面の汚れが取れれば問題ありませんし、スポンジろ材も水が黒くならなくなるまで揉んでしまうと洗いすぎですので5~10回くらいで十分です。
ウールマットと活性炭は基本的には新しいものに交換ですが、ウールマットはまだ使えそうな場合はスポンジろ材と同じ洗い方です。
ストレーナースポンジを洗う
忘れられやすいのがストレーナースポンジの掃除です。
ストレーナースポンジとは外部フィルターが水槽内の水を吸い上げる部分についているスポンジです。
小さなスポンジですがバクテリアが繁殖して、ろ過機能を果たしています。
水槽内の汚れが最初に通過する場所のため、汚れやすく注意が必要です。
洗い方はスポンジろ材と同じで、飼育水に漬けて5~10回揉みます。
スポンジ表面に水草の切れ端など大きなゴミが付いている場合は、そのままだと水の流れが悪くなってしまうため手で取り除きましょう。
すべてのろ材を洗い終えたら元通り濾過槽に戻します。
簡易的な外部フィルター掃除はこれで完了ですので、細部までしっかり掃除しない場合は後に解説している『もとに戻して電源を入れる』を実施してください。
シャワーパイプ・拡散吐出口を洗う
外部フィルターの放水部は商品によってはシャワーパイプと拡散吐出口を選べるようになっています。
コケが生えて汚れてきた場合は掃除しましょう。
特にシャワーパイプはパイプ内にコケがたくさん生えてくると放水の穴がふさがってしまう場合があります。
シャワーパイプの洗い方は長い棒の先にブラシがついたものを出し入れすることできれいになります。
パイプ職人スリムはスポンジフィルターのパイプ内を掃除するのにも便利です。
関連記事>>>【目詰まり注意】スポンジフィルターの掃除方法と寿命の見極め方
拡散吐出口もシャワーパイプと同じブラシを使用すれば綺麗にすることができます。
インペラーを洗う
濾過槽内を掃除しても放水量が少ない場合はインペラーが汚れている可能性があります。
インペラーはプロペラ型をした水を濾過槽に送り込む部品で、設置場所は水中モーターを採用しているかどうかで異なります。
水中モーターの場合は水槽内の吸水部に内臓されており、水中モーターでない場合は濾過槽上部に設置されています。
インペラーに汚れが溜まったり、水草が絡んだりするとうまく回転できなくなり濾過槽に送り込める水量が少なくなってしまいます。
毎回掃除する必要はありませんが、流量が少なくなったなどフィルターの不調が確認できたときは掃除するとよいです。
洗い方は吸水部や濾過槽上部からインペラーを取り出し、ブラシでこすって汚れを落とします。
インペラーは細かい部品で構成されているため、強くこすって部品をなくしたりしないよう気を付けてください。
ホースを洗う
水槽の水を濾過槽に送り込むホースや濾過槽の水を水槽に戻すホースも長く使っていると内部が汚れてきます。
外部フィルター本体から外すのが面倒なため、掃除を怠りがちですが思っている以上に汚れがたまるため、あまり長期間放置すると危険な部位でもあります。
どこを掃除しても水槽の調子が悪く困っていたところホースの汚れが原因だったことがあります。
ホースの掃除はホースクリーナーブラシを使用すると簡単です。
クリーナーブラシは先端にブラシがついており、持ち手の部分が曲がることによってホースの奥まで掃除することが可能です。
ブラシ部分をホースに入れてそのまま奥まで移動させ、何度か前後させると綺麗に汚れが落ちます。
もとに戻して電源を入れる
掃除が終わったら分解したときと逆の工程で組み立てて、水槽に設置します。
すべて組み立てたら外部フィルターの電源を入れて呼び水を行います。
水中モーター採用の外部フィルターなら呼び水は不要だから少し楽です。
関連記事>>>【呼び水不要】おすすめの外部フィルターGEXメガパワー6090レビュー
関連記事>>>【設置自由度が高い】外部フィルターGEXメガパワー2045レビュー
放水部からしっかりと水が出ていれば掃除は完了です。
電源を入れた直後は外部フィルター内の汚れが排出されて水槽内が汚れてしまいますがしばらくすると綺麗になります。
-
ろ材を洗うときは必ず飼育水を使用する
-
ろ材の洗いすぎには注意が必要
-
ストレーナースポンジを忘れずに洗う
-
ホースには意外と汚れが溜まるので注意
-
流量が少ないなどの不調がある場合はインペラーも掃除する
まとめ
外部フィルターはろ過能力が高く、非常に優秀なフィルターです。
しかし、デメリットとして部品点数が多く掃除がめんどくさいことが挙げられます。
外部フィルターは掃除しないと濾過槽に汚れが溜まっていき、水質悪化の原因となるため定期的な掃除が必要となりますが掃除しすぎるのもバクテリアの減少を招くため生体にとって良いことではありません。
生体の長期飼育のためには水槽に合った頻度で掃除するのではなく、自分に合った掃除頻度で維持できる水槽を作り、掃除を習慣化することが大事です。
自分に合った掃除頻度で維持できる水槽の作り方は、今から水槽を立ち上げる場合は生体を少しづつ増やしていく方法がおすすめで、すでに水槽を立ち上げている場合は補助として新たにフィルターを設置するのが最も簡単です。
フィルターの掃除方法や掃除頻度が正しく行えると生体にたっぷり餌を与えてもトラブルが起きる確率は減ります。
コリドラスにおいて与える餌の量と頻度は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事>>>【与える頻度で調整】コリドラスに適した餌の量を徹底解説【目安も紹介】
コメント