- コリドラス水槽における照明の役割を知りたい
- コリドラス水槽の照明の選び方を知りたい
- 陰性水草を育成するのに十分な照明を知りたい
- コリドラス水槽におすすめの照明を知りたい
- コリドラス水槽の照明は何時間点灯させればよいのか知りたい
このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
実はコリドラス水槽における照明の選び方は非常に簡単です。
なぜならコリドラス水槽には多くの光を発するような特別な照明は必要ないからです。
この記事ではコリドラス水槽における照明の役割やおすすめの照明について紹介します。
この記事を読むと水草とコリドラスが活き活きと育つ水槽がつくれるようになるよ。
コリドラス飼育の流れは以下の記事で解説しています。
関連記事>>>【初心者でも難しくない】元気に長生きさせるコリドラスの飼育方法
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コリドラス水槽の照明の役割は鑑賞性向上、水槽の変化に気づきやすくする、体内時計の調整、水草の育成の4つ。
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コリドラス水槽にハイスペックな照明は不要。
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光束は60cm規格水槽で1000lm、45cm規格水槽で700lm程度あれば十分。
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hygger 水槽ライト・水作 LED ライトアップ・GEX クリアLED POWERIII・GEX クリアLED POWER SLIM・Tetra パワーLEDライトの中から選ぶのがおすすめ。
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点灯時間は8時間から初めて少しずつ自分の水槽に合った時間に調整するのがよい
照明の種類と効果
照明は水槽上部に設置して点灯させることによって水槽内を明るく照らしくれる装置です。
水槽の大きさによって照明本体の長さや光量など適した照明も変わります。
照明があるのとないのでは水槽の鑑賞性がまったく異なり、鑑賞性以外にもたくさんのメリットがあるためアクアリウムをするなら必ず設置したい装置です。
照明の性能を表す5項目
照明の性能を表す数値は複数あるため、それぞれにおいて正しく理解しておかないと自分の求める照明を選ぶことはできません。
性能を表す5項目とその内容は以下の通りです。
光の量を表す光束(lm)
照明の光の量はルーメン(lm)という単位で表され、値が大きいほど光の量が多く明るい照明です。
照明を購入する場合は必ず確認する必要がある数値です。
水が深くなるほど光は減衰するので多くの光が必要になり、水槽内で育成する水草の種類によって必要な光量が変わります。
たくさん光を必要とする水草を育成する場合は光量の多い照明が必要ですし、陰性水草のようなあまり光を必要としない水草しか育成しないのであればそこまで光量は必要になりません。
水槽の大きさと、どのような水草を飼育するかを考えた上で何ルーメンの照明が必要かを考える必要があります。
光の波の長さを表す波長(nm)
光の波の1周期の長さを表す単位でナノメートル(nm)で表されます。
光の波長の長さによって人の目には異なる色に見えます。
360~780nmの範囲の波長を可視光といい、その範囲より波長が長くても短くても人間の目には見えません。
360~780nmの範囲内で波長が長くなるにつれて紫⇒青⇒緑⇒黄⇒赤と色が変化します。
水草などの植物の多くは500~600nm付近の緑から黄にかけての波長を葉の表面で反射するため人間の目には緑色に認識することができます。
また照明の光は白く見えますが、これは360~780nmの色の光が混ざることで白く見えています。
植物の成長には450nm(青)付近と660nm(赤)付近の波長の光を照射すると効果的であることがわかっています。
外部リンク>>>LED (発光ダイオード)を利用した植物の成長促進に関する研究
光の色を数値化した色温度(K)
光の色を数値化したものでケルビン(K)で表されます。
数値が小さいほど暖色の光であり、逆に大きいほど寒色の光になります。
太陽光は5000~6000Kと言われており、水槽の照明はこれよりも値の大きい寒色よりの商品が多いです。
暖色の柔らかいイメージの水槽にしたければ数値の低い照明を、寒色で透明感のある水槽にしたい場合は数値の高い照明を選ぶとよいです。
太陽光との色の見え方の近さを表す演色性(Ra)
同じ物体を太陽光の下と照明の光の下で見たときにどれだけ色が近いかを数値化したもので、アールエー(Ra)で表されます。
数値が100に近いほど太陽光と同じ色で見える照明ということになります。
小さい照明など商品によっては記載されていないものも多いです。
電気の消費量を表す消費電力(W)
電流×電圧で求められる電力消費量であり、ワット(W)で表されます。
数値が大きいほど電気の消費量が大きく毎月の電気代が高くなります。
昔はワットの数値が大きい=明るい照明だったのですがLED照明の普及により消費電力が少なくても明るい照明が作れるようになったため、明るさについては光束のルーメン(lm)で表されるようになりました。
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水槽の見た目には光束(lm)・色温度(K)・演色性(Ra)が関係する
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水草の育成には光束(lm)・波長(nm)が関係する
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月々の電気代には消費電力(W)が関係する
コリドラス水槽における照明の役割
水槽が綺麗に見せる
水槽に照明を設置すると水槽内が明るくなり、水が透き通るように綺麗に見えます。
たとえ昼間であったとしても照明があるのとないのでは水槽の見え方が全く違い、照明があるほうが圧倒的に綺麗です。
上の画像が照明ありで下の画像が照明無しだよ。同じ時間でも見え方にこれだけの差があるよ。
照明の性能である光束(lm)・色温度(K)・演色性(Ra)によっても見え方は異なるため、明るい水槽にしたい・暗い水槽にしたい・暖色にしたい・寒色にしたいなど希望がある場合は照明のスペックをしっかりと確認する必要があります。。
またコリドラスは明るいところに長時間いるとストレスを感じてしまうため、流木やシェルターなどで必ず陰になる場所を作ってあげましょう。
関連記事>>>【100均で十分】コリドラス水槽における隠れ家の役割と重要性
水槽内の変化に気付きやすくする
長期にわたって安定した水槽管理を続けていくには水槽内の微々たる変化にも気付く必要があります。
水槽内の小さな変化に気付くには照明は不可欠です。
例えば産卵ではコリドラスの卵はコリドラスの種類にもよりますが直径1~2mm程度で色も透明、さらには産み付けられる場所は水草の葉の裏や透明な水槽壁面など様々であり照明が点灯していても気付かないこともあるくらいです。
また病気ではコリドラスの出血やヒレの破れ、ヒゲの溶けなど細かなところまでチェックする必要があるため水槽内を明るく照らし、見やすくすることで少しでも早期に発見する確率を上げることができます。
お腹が内出血してしまっているね。コリドラスの病気は早期に発見できるかが運命の分かれ道だよ。
コリドラスの体内時計の調整
コリドラスはナマズの仲間では珍しく昼に活動する昼行性の熱帯魚です。
仕事で家に帰るのが夜になる方は家に帰るころにはコリドラスの活動時間は終わっており、泳ぎ回る姿を鑑賞することができません。
しかし、照明を昼過ぎから夜まで点灯させることで実時間の昼過ぎがコリドラスの朝になり、実時間の夜はコリドラスの夕方になるため鑑賞する時間を作ることができます。
餌も寝ているときに与えると気づかずに食べ残しになってしまう可能性が高くなるため、活動時間中に与えることが望ましいです。
手動で照明の電源を入り切りするのは非常に手間なため、照明本体のタイマー機能を使うかタイマー機能がない場合はコンセントタイマーを使うとよいです。
コンセントタイマーを使えば毎日同じ時間に照明のONOFFが自動ででき、特定の曜日だけ点灯時間を変えるなどの複雑な設定も可能になります。
単純な照明のONOFFだけであれば上記商品で安価に購入することができますが、時間になると急に点灯・消灯するためコリドラスがびっくりしてしまいます。
生体がびっくりするのが気になる場合は水槽照明用のタイマーを使用するのがおすすめです。
水作 LED SMART TIMERであればタイマー機能だけでなく点灯・消灯の15分前からゆっくり明るく・暗くする機能や、点灯時の明るさ調整など照明にほしい機能が揃っており、水作以外の照明でも使用することができるため非常に便利です。
水草の育成
水草も光合成をおこなうため、育成には照明が必要になります。
水草があることで自然界の再現や人工物を見えないように隠すことができるため、水槽の鑑賞性は大幅に向上します。
コリドラスに対しても隠れ家になることでストレスの軽減効果や産卵時の生み場所として役立ちます。
また水草は水槽内の栄養を吸収してくれるため水が汚れづらくなり、大食漢で水を汚しやすいコリドラスと相性が良いです。
関連記事>>>【育成簡単】コリドラス飼育におすすめの活着する陰性水草5選
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コリドラス水槽の照明の役割は鑑賞性向上、変化に気づきやすくなる、体内時計調整、水草育成の4つ
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タイマー機能のない照明の場合はコンセントタイマーが必要
コリドラス水槽にスペックの高い照明は不要
照明は設置によるメリットが多く、取付必須と言ってもいい装置ですが、コリドラス水槽においてはハイスペックな照明は以下の理由で必要ありません。
コリドラスが物陰から出てこなくなる
コリドラスは明るい場所を好む熱帯魚ではなく、じっとしているときは水草や隠れ家の影にいることが圧倒的に多いです。
光量の多い照明ではストレスを感じて物陰からでてこなくなってしまう場合があります。
コリドラスの飼育におすすめの水槽サイズである60cm規格水槽では、明るい水槽にしたい人でも1500lm程度の照明を上限として考えるとよいです。
45cm規格水槽の場合は900lm程度を上限にするとよいです。
関連記事>>>【飼育数で決める】コリドラス飼育におすすめの水槽サイズ
陰性水草は少ない光量でも育成できる
コリドラスはアヌビアスナナやミクロソリウム、ウィローモスなどの活着する陰性水草と相性がよい熱帯魚です。
関連記事>>>【育成簡単】コリドラス飼育におすすめの活着する陰性水草5選
陰性水草は自然界では日陰になる時間が長い場所にもはえており、成長にたくさんの光を必要としないことから60cm規格水槽で1000lmを切っている照明でも全く問題なく綺麗に育成することが可能です。
逆に光が強いとコケが大量に発生し、水草の葉を覆ってしまうことで枯れてしまうこともあります。
コリドラスとの相性を考えると60cm規格水槽なら1000lm、45cm規格水槽なら700lm前後の光量の照明が明るすぎず水草も育成できるためおすすめです。
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コリドラスは明るい照明と相性が良くない
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陰性水草は明るい照明と相性が良くない
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コリドラス水槽には60cm水槽なら1000lm、45cm水槽なら700lm程度の照明がおすすめ
コリドラス水槽におすすめの照明5選
コリドラス水槽に設置する照明にハイスペックなものは必要ありません。
とはいえ何を選べばいいかわからない人向けに、明るすぎず陰性水草なら十分に育成可能なコリドラス水槽におすすめの照明のシリーズを紹介します。
紹介した中から自分の目的に合うシリーズを選び、飼育する水槽サイズに適した照明を購入するとよいです。
例えばGEXの『クリアLED POWERIII』は照明のシリーズ名であり商品には『クリアLED POWERIII 300』『クリアLED POWERIII 450』『クリアLED POWERIII 600』『クリアLED POWERIII 900』『クリアLED POWERIII 1200』があり、最後の数字は対応する水槽のサイズを表しています。
600は幅60cmの水槽に対応、1200は幅120cmの水槽に対応した商品です。
hygger 水槽ライト
hyggerという安価な商品を提供する中華系メーカーの照明で、機能性を重視する方におすすめです。
安価でもしっかりとした作りで簡単に壊れることはなく、十分な光量で水槽内を明るく照らしてくれます。
多機能であり輝度を段階的に調整でき、タイマー機能で自動で照明をONOFFできるため別でコンセントタイマーを購入する必要がありません。
IP68という高い防水性能もあるため水槽のメンテナンス時に照明によく水をかけてしまう方も、照明を水槽内に落としてしまった経験がある方も安心です。
低価格・高性能で非常にコスパのよい商品です。
水作 LED ライトアップ
水作が提供する照明で、できるだけ安価に有名メーカーが手掛ける商品を購入したいという人におすすめです。
大手アクアリウムメーカーの照明の中では最も安価であり、特別な機能はありませんが耐久性がありしっかりと照明の役割を果たすことができる商品です。
60cm水槽対応サイズの光量は936lmと鑑賞には十分であり、明るすぎないためコリドラス水槽との相性は抜群です。
照明としては非常にシンプルですが同じ水作の商品であるLED SMART TIMERと組み合わせると調光機能や自動ONOFF機能、日の出/日没モードなど多機能な照明に早変わりします。
タイマーとのセット販売もされているためタイマーを持っていない方はセット販売のほうがお得です。
GEX クリアLED POWERIII
GEXが提供するアクアリウム定番の照明で、実績と水草育成を重視する方におすすめです。
アクアリウムショップでも昔からよく見かける照明で性能や耐久性には十分な実績があります。
先に紹介した2商品ほどではないですが価格も比較的安価で性能に対するコストパフォーマンスは高く、赤青白のLEDを別々にスイッチでONOFFできるため水槽の雰囲気を簡単に変えることができます。
低価格帯の照明でありながら陰性水草でない水草もある程度育成可能であり、陰性水草以外の水草も育成している、または将来的にチャレンジしてみたい人に適しています。
本格的な水草水槽にはもっと光量の多い照明が必要です。
GEX クリアLED POWER SLIM
同じくGEXが提供する照明で、水槽のメンテナンス性やスリム水槽での使用を検討している方におすすめの照明です。
前に紹介したクリアLED POWER Ⅲとほぼ同等の光量でありながら照明の幅が5cmとスリムな形状をしているのが特徴です。
照明本体に幅がないため水槽上部にスペースができ、メンテナンスがしやすくなります。
特に水槽に幅のないスリム水槽では恩恵を受けやすいため、スリム水槽での飼育を考えている方は候補の筆頭となります。
Tetra パワーLEDライト
テトラが提供する照明で明るさを重視する人におすすめの商品です。
今回紹介する照明の中で最も光量が多く60cm水槽用のサイズでは1400lmあり、明るい色の底砂とセットで使うことで水槽内を非常に明るく見せることができます。
関連記事>>>【厚さ注意】コリドラス飼育におすすめの底砂5選【ベアタンクでも問題なし】
もっと光量が多く明るい照明はたくさん存在しますがコリドラス水槽に使うのであれば、TetraパワーLEDライト程度が上限だと考えたほうが良いです。
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機能性を重視したいならhygger 水槽ライト
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コストを重視したいなら水作 LEDライトアップ
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水草育成を重視したいならGEX クリアLED POWERIII
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メンテナンス性重視、スリム水槽での使用ならGEX クリアLED POWER SLIM
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明るさを重視したいならTetra パワーLEDライト
おすすめの照明時間
照明の点灯にはコンセントタイマーを使用すると自動で毎日決まった時間に電源のONOFFができるのですが、ONしてからOFFまでの点灯時間を何時間に設定するかは非常に重要です。
照明の点灯時間が長すぎると水槽壁面や水草の葉の表面にコケが大量発生してしまいます。
上の画像のようにコケだらけになるよ。
コケの大量発生した水槽は非常に見栄えが悪くなりますし、水草の葉の表面にコケが生えてしまうと水草が光合成をできなくなり枯れてしまう可能性があります。
逆に照明の点灯時間が短いと水槽を鑑賞できる時間が短くなりますし、光合成できる時間が少ないと水草が調子を崩す可能性もあります。
コケも発せずに調子よく水草を育てるにあたっておすすめの照明点灯時間は8時間です。
もちろんコケの発生は水中に含まれる栄養によっても左右されるので与える餌の量や生体の数、水換え頻度によって最適な点灯時間は変化しますが8時間からスタートしてコケの発生量や水草の調子を見ながら時間を伸ばしたり縮めたりするとよいです。
関連記事>>>【与える頻度で調整】コリドラスに適した餌の量を徹底解説【目安も紹介】
関連記事>>>コリドラス飼育に知っておきたい水換え頻度の考え方【水換えしすぎにも注意】
まとめ
照明の設置によって鑑賞性は大幅に向上し、照明の性能は光束(lm)、波長(nm)、色温度(K)、演色性(Ra)、消費電力(W)の5つの数値で表されます。
コリドラス水槽に照明を設置することによって鑑賞性の向上、水槽管理がしやすくなる、体内時計の調整が可能になる、水草の育成が可能になるなどのたくさんのメリットがあるため必ず設置したい装置です。
どのような照明を設置する必要があるかはコリドラス水槽内で育成する水草によって変化しますが、コリドラスはあまり光を必要としない陰性水草と相性が良いため、ハイスペックな照明は必要ありません。
60cm規格水槽なら1000lm程度、45cm規格水槽なら700lm程度の光量がちょうどよいです。
どの照明を選べばよいかわからない人は自分が明に求めるものと合うものをおすすめの中から選ぶとよいです。
照明にはコンセントタイマーを使って自動で電源のONOFFを行うと点灯し忘れ、消し忘れがなく便利で、点灯時間はコケの大量発生を防ぐために8時間程度に設定し、水槽を観察しながら微調整するのが良いです。
照明は設置することによって生体だけでなく水草育成の楽しさも味わえるため、より深くアクアリウムを楽しむきっかけになります。
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