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スポンジフィルターの仕組みを知りたい
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スポンジフィルターにはどんな種類があるか知りたい
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スポンジフィルターのろ過能力について知りたい
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コリドラス水槽にスポンジフィルターを設置するメリットを知りたい
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スポンジフィルターの適した設置位置を知りたい
スポンジフィルターについてこれらの悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
実はコリドラスとスポンジフィルターは非常に相性が良い反面、種類や運用方法を間違えると悪影響を与えてしまう場合もあります。
なぜならスポンジフィルターにはメリットだけでなく、詰まりやすいなどのデメリットも存在するためです。
この記事ではスポンジフィルターの種類や特徴について詳しく解説します。
この記事を読むとスポンジフィルターの特徴が理解でき、メリットを活かしたコリドラス飼育ができるようになるよ
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スポンジフィルターはろ過能力が高く、掃除が簡単、底面の場所を取らないためコリドラスと相性抜群
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種類はキスゴムで固定するツインタイプがおすすめ
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詰まりやすいので注意が必要
安価でろ過能力の高いスポンジフィルター
スポンジフィルターはスポンジをろ材として使用するフィルターで、本体を水槽壁面にキスゴムで固定させて設置する商品が多いです。
水槽底面に置くタイプもあるよ
エアリフト式で水を循環させるため、スポンジフィルターを利用するには別でエアーポンプとエアーチューブを用意する必要があります。
フィルターの構造がシンプルで材質もプラスチックとスポンジのみで構成されているため、安価に購入することができ掃除も楽というメリットがあります。
また、同じサイズの水槽に対応する投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターなどの小型のフィルターと比べるとろ材の体積が多く、ろ過能力が高いフィルターとなります。
60cm規格水槽以上の大きな水槽ではろ過能力が不足する場合もありますが、キューブ水槽やスリム水槽といった小型水槽ではメインフィルターとして十分活躍することができます。
関連記事>>>コリドラス飼育におすすめのフィルターと選び方
スポンジフィルターの仕組みはシンプル
スポンジフィルターはエアリフト式の簡単な構造であるため、仕組みも簡単に理解することができます。
まずスポンジフィルターのパイプ部にエアーポンプからエアチューブを通して空気を送り込みます。
送り込まれた空気はエアチューブからスポンジフィルターのパイプ内に移動しますが、空気は水に浮くため浮力でパイプ内にもともと存在している水をパイプの外へ押し上げます。
押し上げられた水がスポンジフィルターの外部に放出されると空気が押しあげた分の体積を他から吸い上げる力が働くので、水槽の中の水がろ材であるスポンジを通して吸い上げられます。
これを繰り返すことでスポンジフィルターは常に水が循環する仕組みになっています。
ろ材であるスポンジの体積が大きく、エアーポンプの吐出量が多いほどろ過能力は高くなります。
特徴で分けるスポンジフィルターの種類と選び方
一言にスポンジフィルターといっても様々な種類が存在し、水槽の見せ方や飼育する生体によって使い分ける必要があります。
スポンジフィルターは以下の3つの特徴から種類を分けることができます。
スポンジの数で決まるシングルとツインタイプ
スポンジフィルターにはろ材であるスポンジが1つだけのシングルタイプと2つのツインタイプが存在します。
上の画像がシングルタイプ、下の画像がツインタイプのスポンジフィルターだよ
1つあたりのスポンジの体積が同じであればツインの方がろ過能力は高くなりますが、フィルター自体が目立つようになるというデメリットもあります。
コリドラスは水を汚しやすい熱帯魚のため30cmキューブ水槽などの小型水槽で少数を飼育するのであればシングルでも問題ありませんが、基本的にはろ過能力の高いツインの方がおすすめです。
またツインタイプはスポンジが縦方向に取り付けますが、シングルは横方向と縦方向に取り付ける場合があります。
縦方向のほうが掃除するときにパイプ部からスポンジだけを取り外しやすく手間がかからないためおすすめです。
スポンジの形状と溝の有無
スタンダードなのは円柱の形をしたスポンジですが、円柱の中にもただの円柱と溝の掘られた円柱の2パターンがあります。
溝があるタイプの方が水と接する面積が増えることでバクテリアが定着しやすく、ろ過能力が高くなると言われています。
ろ過能力の違いは気にしなくていいレベルだよ
また、シュリンプと混泳する場合は溝がシュリンプの隠れ家となるため非常に相性が良いです。
円柱以外には水槽の角にフィットする扇形のものも存在します。
円柱では水槽とスポンジの間に隙間ができるため無駄にスペースを使うことになりますが扇形だと水槽の壁や角にぴったりとフィットするため隙間を作らず、スペースを無駄なく使用できるメリットがあります。
しかし、水槽の壁や角の隙間ゼロにすることはできないため小さな隙間に汚れが蓄積し、水替えの度にしっかり掃除する必要があります。。
ほかにも扇形だと種類が限られてしまうという制約もあるため形状は円柱、シュリンプとの混泳を考えている場合は溝有りを選ぶとよいでしょう。
相性が大きく変わる壁面設置と底面設置
スポンジフィルターの水槽内での設置方法はキスゴムで水槽壁面に吸着させるタイプと水槽底面に沈めるタイプが存在します。
キスゴムで吸着させるタイプは水深により設置高さを飼育者が自由に決められ、水槽の周囲360°に設置できるためレイアウト上目立たない場所に設置することもできます。
しかし、長く使用しているとキスゴムが劣化し吸着力が弱くなってくるため、気づいたら水槽壁面から外れて水面に浮いており、フィルターとして機能していなかったといったことも起こってしまいます。
このまま放っておくとスポンジ内のバクテリアが死んでしまうからすぐ対策する必要があるよ
水槽底面に沈めるタイプはキスゴムを使用しないため劣化を気にする必要はありませんがコリドラスの生活圏である水槽底面のスペースを狭くしてしまうというデメリットがあります。
またフィルターと水槽壁面との間に汚れが溜まりやすく、低層で生活するコリドラスには影響が大きいため水替えのたびに念入りに掃除する必要があります。
キスゴムで吸着させるタイプはキスゴムが劣化するといっても4~5年使用でき、商品によってはキスゴムだけを購入し交換できるためコリドラス水槽においては底面を広くとれるキスゴムで吸着させるタイプがおすすめです。
関連記事>>>【コスパ最強】おすすめスポンジフィルター テトラツインブリラントフィルター
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スポンジフィルターはスポンジの数、形状、設置方法で分けることができる
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コリドラス飼育であればツインタイプ、円柱形溝有スポンジ、キスゴム設置がおすすめ
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キスゴムの劣化には注意が必要
スポンジフィルターを設置するメリット6選
小型のフィルターの中ではろ過能力が高い
スポンジフィルターは投げ込み式フィルターや壁掛け式フィルターなどの小型のフィルターと比べるとろ過能力が高いフィルターです。
フィルターのろ過能力はろ材の容量(体積)と流量によって決まります。
スポンジフィルターはろ材の体積が他のフィルターに比べて多く、特にツインタイプだとろ過能力が高くなります。
さらにろ過能力を上げたい場合は吐出量の多いエアーポンプを使用するとよいです。
吐出量の少ないエアーポンプだと水流が弱すぎて機能しない場合もあるよ。
最低でも吐出量0.5~1.5ℓ/分くらいあるといいよ
また、吐出口の2つあるエアーポンプを使用すればスポンジフィルターを2つ使用することができます。
ツインタイプを2つ設置すれば10匹未満のコリドラスであれば60cm規格水槽でも水質を維持できる程度のろ過能力を発揮します。
コトブキのサイレントエアSA-4000Wは吐出口2個で音も静か。価格も安いからおすすめだよ
掃除が簡単
スポンジフィルターの基本的な掃除はろ材であるスポンジだけを外して飼育水を入れたバケツ内で数回揉むだけと非常に簡単です。
シングルタイプはスポンジが横向きになる商品が多いですが、スポンジは縦のほうが取り外しやすく手間を減らすことができます。
掃除の手間は全フィルターの中で最も楽であり、スポンジフィルターが根強く支持されている理由でもあります。
ただし、掃除が簡単なのは普段から掃除する必要のあるろ材のスポンジを洗う場合で、パイプ内にコケが発生して詰まってしまった場合は頻度は稀ではありますがパイプを分解して掃除する必要があり手間がかかります。
関連記事>>>【目詰まり注意】スポンジフィルターの掃除方法と寿命の見極め方
コリドラスの隠れ家になる
スポンジフィルターを水槽底面からコリドラス1~2匹程度の隙間を空けた位置に設置することで、フィルターの下を照明の影にすることができるためスペースは狭いですがコリドラスの隠れ家になります。
コリドラスを飼育する上で隠れ家はなるべく用意したいですが、少数での飼育であればスポンジフィルターの影だけでも飼育可能です。
関連記事>>>【100均で十分】コリドラス水槽における隠れ家の役割と重要性
注意点としてスポンジフィルターの下の隙間に汚れが溜まる可能性があるため、水替えのときには必ず一度スポンジフィルターの位置を上げてしっかりとホースで汚れを吸い出してから元の位置に戻すようにしましょう。
隠れ家には汚れが溜まりやすくコリドラスが病気になる原因となります。
汚れた場所にじっとしているのは非常に危険だよ
関連記事>>>初心者でもできるコリドラス飼育におすすめの水換え方法【9つの手順】
低層のスペースを広くとれる
投げ込み式フィルターのような水槽底面に置くタイプのフィルターはコリドラスの生活圏である底層の面積を減らすため相性が良くありません。
面積の問題だけでなくフィルターと水槽の隙間に汚れも蓄積しやすくなるため周辺を丁寧に掃除しないと病気になる確率が高くなります。
しかし、スポンジフィルターは水槽壁面にキスゴムで固定するため水槽底面に接触するほど低い位置に設置しない限り底層の面積を減らすことはなく、コリドラスと相性が良いです。
コリドラスを飼育する上で大切なのはいかに底層の面積を広く取るか、いかに底層を綺麗に保つかを突き詰めることです。
同じスポンジフィルターでも水槽底面に置くタイプは投げ込み式フィルターと同じ理由でコリドラスの飼育においてはおすすめできないフィルターです。
強い水流が発生しない
スポンジフィルターはエアリフト式のフィルターのため小さい水槽に吐出量の多いエアーポンプを設置するような特別なことをしない限り、基本的に強い水流は発生しません。
コリドラスは適度な水流を好み、流れに逆らって泳ぐ姿が観察できるためスポンジフィルターのみだと物足りなく感じる場合もありますが、緩やかな水流は発生するため飼育自体は可能です。
また、稚魚や成長しきっていない小さな個体は体力が少ないため水流の少ない環境のほうが適しています。
飼育する個体の大きさによってエアーポンプの吐出量を変更するとある程度の水流調整も可能です。
商品によってはダイヤルで吐出量を調整できる商品もあるため吐出量の多い商品を購入しておいて使用環境によってダイヤル調整すると便利です。
GEX e-AIR 600WBは0.8~2.5リットル/分と吐出量が多く、吐出口が2つで価格も安いからおすすめだよ。音はちょっとうるさいけど・・・
稚魚を吸い込まない
スポンジフィルターのろ材であるスポンジは目が細かく、水流も弱いため生まれたばかりの稚魚でも吸い込まれることがありません。
外掛け式フィルターなどのポンプを使用して水を吸い上げるタイプのフィルターは、稚魚が吸い込まれてしまいフィルター濾過槽内のろ材に引っかかって死んでしまうことがあります。
稚魚の育成にサテライトを使用する場合は飼育水槽の水を共有できるためフィルターは不要ですが、稚魚飼育水槽を別で用意する場合はスポンジフィルターが最も適したフィルターとなります。
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ろ過能力が高く掃除が簡単なのが特徴
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底層を広くとれ、フィルターの下が隠れ家にもなるためコリドラスと相性が良い
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水流が弱く、スポンジの細かさから稚魚の飼育に向いている
スポンジフィルターのデメリット3選
スポンジが大きいため見た目を損ねる
外掛け式フィルターなどは水槽外に濾過槽があり、パイプだけを水槽内に入れるため水槽内をスッキリさせることができます。
しかし、スポンジフィルターはろ材であるスポンジを直接水槽内に入れる必要があり、スポンジも大きいためどうしても目立ってしまいます。
上がスポンジフィルターのシングルタイプで下が外掛け式フィルターだよ。スポンジがある分目立ってしまうね
ツインタイプのスポンジフィルターはスポンジが2個になるため、さらに目立ちやすいです。
ろ過能力やメンテナンスのしやすさから見た目を損なってでもおすすめできるフィルターではありますが、気になる場合は水草などの後ろに設置することで隠すとよいです。
コリドラスは活着性のある陰性水草と相性がよく、これらの水草は育つのに時間がかかりますがスポンジフィルターを隠すのに十分なほどの高さまで成長してくれます。
アヌビアスナナやミクロソリウムが育てやすくておすすめだよ
スポンジやパイプ内が詰まりやすい
スポンジフィルターはスポンジの目が細かいことや、エアーの吹き出し口が小さな穴になっているためコケやごみなどによって詰まってしまうことがあります。
吸水力の弱いスポンジフィルターは少し詰まってしまうだけで水流が少なくなり、気が付くとほとんど水が循環しておらずフィルターとして機能していなかったということになりがちです。
詰まりの原因がスポンジであれば飼育水で揉むだけで簡単に解消することができますが、パイプ内が原因の場合は分解してブラシでこする必要があるため掃除に手間がかかります。
外部・上部・底面フィルターと比べるとろ過能力が劣る
スポンジフィルターがろ過能力が高いと言っても投げ込み式や外掛け式といった小型フィルターと比較した場合の話です。
フィルターは基本的にろ材容量と流量でろ過能力が決まるため、ろ材容量の多い外部・上部・底面フィルターと比べるとろ過能力は劣ります。
メインフィルターとして使用できるのは小型水槽で少数を飼育する場合であり、大型水槽でたくさんの生体を飼育する場合はメインに外部・上部・底面のどれかを設置し、スポンジフィルターは補助的な役割として設置する程度になります。
外部や底面フィルターは掃除が面倒だからスポンジフィルターを補助として設置して汚れを分散させるのはとても有効だよ
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見た目は気にしないか水草で隠すかの2択
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普段の掃除は楽でもパイプ内が詰まった場合は少し面倒
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あくまで小型フィルターなのでろ過能力に過信は厳禁
まとめ
スポンジフィルターは安価でありながら小型フィルターの中ではろ過能力が高く、掃除も容易なため使いやすいフィルターです。
コリドラスとの相性も良く、60cm規格水槽以上の大きめの水槽ではメインフィルターの補助として、小型水槽ではメインフィルターとして活躍することができます。
詰まりによる水流低下さえ気を付ければメンテナンスに手間のかからない水槽にすることができ、産卵した場合も稚魚の育成に使うことができるため1つは持っておきたいフィルターです。
見た目についても水草などをうまく活用して鑑賞しがいのある水槽を作り上げていきましょう。
というわけで、みなさまのよいコリドラスライフを祈っております。
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