- コリドラス飼育に適した照明を知りたい
- コリドラスの飼育だけでなく、どうせなら水草も育成したい
- 水槽サイズが変わっても使える照明を知りたい
- 小型水槽におすすめの照明を知りたい
- なるべくお金をかけずに照明を設置したい
このようなことで悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はコリドラス水槽にはスペックの高い高価な照明は必要ありません。
なぜならコリドラスは底層に根を張る水草と相性が悪く、多くの光を必要としない活着性のある陰性水草と相性が良いからです。
この記事ではコリドラス水槽にスペックの高い照明が不要な理由とおススメの照明を3つご紹介します。
この記事を読むとコリドラス水槽に適した照明の中から自分に合った照明を選べるようになるよ
コリドラス水槽にスペックの高い照明は不要
毎日規則正しく水槽内を明るくすることによってコリドラスの体内時計を調整することができるため、コリドラス水槽に照明を設置することは必須です。
関連記事>>>コリドラス飼育に絶対必要なもの14選
しかし、コリドラス自体が生きていく上で『〇〇lm以上の光量が必要』など照明のスペックを必要とすることはなく、飼育者がどのような水槽を鑑賞したいかという好みの問題になります。
照明のスペックが必要になるのはコリドラス水槽内で水草育成を行う場合であり、水草の種類によって照明のスペック、特に光量は重要になります。
ところがコリドラスは水槽底面を掘り返す習性があるため底に根を張るタイプの水草と相性が悪く、流木などに活着するタイプの水草と相性が良いです。
そして活着性のある水草は陰性水草であることが多く、たくさんの光を必要としません。
コリドラス水槽でたくさんの光を必要とする水草を育てることにチャレンジする、という場合は別ですが基本的には以下の2点を満たしているかがコリドラス水槽の照明選定のポイントになります。
- 自分が鑑賞時に満足のいく明るさがある
- 陰性水草を育成できる
照明のスペックの見方や照明設置によるメリットなどは以下の記事を参考にしてください。
関連記事>>>コリドラス水槽に適した照明の選び方と点灯時間
ジェックス クリアLED POWER III
合格ラインをしっかりと満たした安価な照明
コリドラス水槽に最もおススメの照明はジェックス クリアLED POWER IIIです。
この照明は商品名の後に300~1200の数字で対応する水槽の幅が記載されており、10で割った数値(300なら30cm)の幅の水槽に対応しています。
それぞれの照明サイズごとのスペックは以下の通りです。
300 | 450 | 600 | 900 | 1200 | |
光束(lm) | 500 | 750 | 1000 | 1500 | 2000 |
色温度(K) | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 |
演色性(Ra) | 78 | 78 | 78 | 78 | 78 |
消費電力(W) | 9 | 12 | 17.5 | 23.5 | 35 |
月電気代(円) | 58 | 78 | 113 | 152 | 227 |
LED照明なので月の電気代も安く、同商品を4年以上使用していますが今だ現役で耐久力も申し分ありません。
ただし高光量といえる照明ではないので、人によっては少し暗く感じてしまう可能性があります。
とはいえ水草育成可能な光量は満たしていますし、飼育水槽に適したサイズを購入すれば陰性水草の育成には全く問題はありません。
30cm水槽や高さの低いスリム水槽などは水深が浅くなるためもう少し安い照明でも陰性水草の飼育程度なら可能ですが、45~60cm規格水槽で鑑賞性もよく、水草育成も可能で価格が5000円前後で購入できる照明は他にはありません。
30cm水槽やスリム水槽におススメの照明は後で紹介するよ
水草育成に適した波長を含む光を発光
ジェックス クリアLED POWER IIIの特徴としてあげられるのは発光する光の波長です。
水草が光合成をするのに効果的な波長は450nm付近と660nm付近ということがわかっており、ジェックス クリアLED POWER IIIはこの2つの波長帯を発光するLEDを通常のLEDとは別に設置することで水草の光合成を促進しています。
人間の目には450nm付近は青色、660nm付近は赤色に見えるのですが、これらをスイッチでそれぞれ個別にONOFFさせることができます。
照明本体の側面に白青赤で別々に3つのスイッチが用意されているよ
白青赤のすべてのLEDをONにすると水草が光合成に必要な波長をしっかりと含んだ光になります。
また、青のみONや赤のみON、赤と青をONで紫など水槽を好みの色に変更でき観賞する上でも楽しむことができます。
上から順に青のみON、赤のみON、青と赤両方ONしたときだよ
小さいサイズの水槽にも取り付け可能
照明は適した水槽サイズのみにしか設置できない作りになっている商品が多いです。
しかし、ジェックス クリアLED POWER IIIは照明本体に溝が掘ってあり、ライトリフトを好きなところまで動かすことができるため、適正サイズよりも小さい水槽でも取り付けることができます。
ライトリフトっていうのは水槽と照明を連結する部分のことだよ
上の画像でいうと右側の縦に溝が彫ってあるパーツのことだね
照明本体の幅は変わらないから水槽から飛び出して少し不格好にはなっちゃうけどね
ライトリフトを付けずに水槽の縁にそのまま乗せるだけであればどの照明でも設置可能ですが、照明本体を水槽の中に落としてしまったり、照明と水面の位置が近くなることで跳ねた水で濡れて照明が故障する可能性もあるため、あまりおすすめできません。
水槽に合ったサイズの照明を購入するから他のサイズの水槽に設置できる必要はないと考える方もいらっしゃるかと思いますがアクアリウムは長く続けるとメイン水槽を大きくして照明が余ったり、小型水槽を新規で立ち上げたくなって水槽が増えることはよくあることです。
そういったときに余った照明を使いまわせると非常に便利です。
関連記事>>>【初心者必見】あとで後悔しないコリドラス飼育に適した水槽の選び方
ジェックス クリアLED POWER IIIはこんな人におすすめ
ジェックス クリアLED POWER IIIは水草育成が可能で安価な照明です。
しかし、30cm規格水槽やスリム水槽などの小型水槽ではもう少し安価に購入できる照明があります。
よってジェックス クリアLED POWER IIIは以下の条件に当てはまる人におすすめできる照明です。
- 45cm規格水槽以上の水槽でコリドラスを飼育したい
- 陰性水草も育成したい
- 陰性水草以外にも挑戦する可能性がある
- 鑑賞性を確保するため、ある程度の明るさはほしい
- あまり照明にお金をかけたくない
ジェックス クリア LED POWER X
水槽を明るく鑑賞したい人におススメの照明
ジェックス クリア LED POWER Xは20cm~30cm幅の水槽は2030、40cm~50cm幅の水槽は4050が対応しており、ライトリフトの取り付け方で幅を調整できます。
ライトリフトが水槽本体から少しだけ伸びるようになっているよ
600と900はそれぞれ60cmと90cm幅の水槽に対応しており120cm以上の水槽はラインナップにありません。
商品のスペックは以下の通りです。
2030 | 4050 | 600 | 900 | |
光束(lm) | 300 | 1000 | 1400 | 2100 |
色温度(K) | 8000 | 11000 | 11000 | 11000 |
演色性(Ra) | 87 | 82 | 82 | 82 |
消費電力(W) | 5.5 | 14.5 | 22 | 29 |
月電気代(円) | 36 | 94 | 143 | 188 |
2030以外のサイズは光束、色温度、演色性において高い数値となっており、特に光束が高いため水槽内を明るく照らしてくれます。
ただし光が強い分、コリドラス飼育においてはしっかりと陰になる場所を作ってあげる必要があります。
POWER XはPOWER IIIよりもハイスペックな照明
ジェックス クリアLED POWER IIIとジェックス クリア LED POWER Xのスペックを比べると以下のようになります。
(1200はジェックス クリア LED POWER Xにラインナップがないため省いています)
300 | 450 | 600 | 900 | |
光束(lm) | 500 | 750 | 1000 | 1500 |
色温度(K) | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 |
演色性(Ra) | 78 | 78 | 78 | 78 |
消費電力(W) | 9 | 12 | 17.5 | 23.5 |
月電気代(円) | 58 | 78 | 113 | 152 |
2030 | 4050 | 600 | 900 | |
光束(lm) | 300 | 1000 | 1400 | 2100 |
色温度(K) | 8000 | 11000 | 11000 | 11000 |
演色性(Ra) | 87 | 82 | 82 | 82 |
消費電力(W) | 5.5 | 14.5 | 22 | 29 |
月電気代(円) | 36 | 94 | 143 | 188 |
スペックを比べると2030以外は光束、色温度、演色性のすべてで数値が大きくなっているためPOWER XはPOWER IIIよりも明るくて寒色に見え、太陽光の見え方に近い照明だということがわかります。
しかし、その分消費電力が増えるため月の電気代は高くなります。
そのほかにもPOWER Xの方が照明本体の厚みが薄く水槽全体で見たときにスタイリッシュに見えます。
POWER Xは8mm、POWER IIIは15mmと半分くらいの厚みだよ
またLED POWER Xはライトリフトが照明本体の内側までは移動できない作りになっているため、適正サイズよりも小さな水槽に取り付けることはできません。
照明本体にライトリフトを差し込むようにして取り付けるから、本体より内側にライトリフトは移動できないよ
光についてもLED POWER IIIのように青や赤のように発光色を分けることはできず白い光のみになります。
ジェックス クリア LED POWER Xはこんな人におすすめ
ジェックス クリア LED POWER Xは明るく、性能が高い照明です。
しかし、LED POWER IIIと比べると価格が1000円前後高価になってしまいます。
比べてみると明るさにはかなりの差があるため、照明を購入してみたけど思っていたより暗かったということはジェックス クリア LED POWER Xでは起こりにくいです。
もちろんLED POWER IIIと同じく水草育成も可能なため、LED POWER Xは以下の項目に当てはまる人におススメできる照明です。
- 40cm以上の水槽でコリドラスを飼育したい
- 水草も育成したい
- 多少お金をだしても水槽は明るくしたい
- 水槽サイズを変える予定はない
ニッソー LEDライトスマートタッチ300
小型水槽であれば陰性水草の育成が可能
ニッソー LEDライトスマートタッチ300には照明の詳細なスペックが記載されておらず、わかるのは消費電力が4Wということだけです。
ジェックス クリアLED POWER III300が9W、ジェックス クリア LED POWER X2030が5.5Wであるため、これら2つよりも暗い照明になります。
しかし、価格は2000円を切るため、30cm規格水槽や水深の浅くなるスリム水槽などでの飼育を考えているのであればLEDライトスマートタッチ300も選択肢に入ってきます。
実際に45cmスリム水槽で使用してみたところ、以下の3種類の水草は問題なく育成できました。
- アヌビアス・ナナ
- ミクロソリウム・プテロプス
- ウィローモス
水深がある水槽では厳しいかもしれませんが、スリム水槽であれば代表的な陰性水草の育成は可能なのでコリドラス水槽の照明としては十分です。
タッチセンサーでONOFF可能
この照明の一番の特徴は照明の上部にタッチセンサーがついており触れるだけで電源のONOFFができます。
L字の角の部分がタッチセンサーになっているよ
コンセントタイマーを使う人には関係ありませんが手動で照明をONOFFさせたいという人には触れるだけでよいので非常に操作しやすい作りになっています。
どんな水槽にも取り付け可能
ニッソー LEDライトスマートタッチ300は小型水槽用の照明のため照明本体の幅が短く、水槽の端から端まで渡すようにして設置するタイプの照明ではありません。
固定用ねじ2本で水槽壁面に押さえつけるようにして固定します。
水槽のフレームの有無にかかわらず取り付けられるよ
そのためどんな水槽にも取り付けられますが、スリム水槽でも幅のある水槽は水槽の端まで光がとどかないので暗くなりやすいです。
しかし照明本体が小さく、どんな水槽にも取り付けられるため小型水槽での飼育予定がなくても繁殖用水槽や薬浴水槽、トリートメント水槽用として1つストックしておくと便利です。
関連記事>>>コリドラスに繁殖水槽を用意するメリット
ニッソー LEDライトスマートタッチ300はこんな人におすすめ
ニッソー LEDライトスマートタッチ300は決して明るいといえる照明ではありません。
しかし価格が安く、取り付ける水槽の種類を選ばないため、以下の項目に当てはまる人におススメできる照明です。
- 30cm規格水槽または45cm以下のスリム水槽でコリドラスを飼育したい
- 小型水槽で水草も育成したい
- 繁殖水槽や薬浴水槽、トリートメント水槽などを立ち上げる可能性がある
まとめ
コリドラス水槽に必要な照明のスペックは水槽内で育成する水草によって決まりますが、コリドラスはあまり光を必要としない陰性水草と相性が良いです。
そのためコリドラス水槽の照明選びは以下の2点を満たしているかが重要になります。
- 自分が鑑賞時に満足のいく明るさがある
- 陰性水草を育成できる
45cm規格水槽以上で照明のコストを抑えて水草育成にも興味のある方にはジェックス クリアLED POWER IIIがおススメです。
多少お金をかけてもいいから明るい水槽で見た目を良くしたいという方にはジェックス クリア LED POWER Xがおススメです。
小型水槽で照明のコストを抑えて、繁殖水槽用などもしものときのストックにもしておきたい方にはニッソー LEDライトスマートタッチ300がおススメです。
コリドラス水槽における照明は飼育者の好みによるところが非常に大きいです。
まず自分は照明に何を求めるか?を考えてから探すと自分に合った照明が見つかると思います。
というわけで、みなさまのよいコリドラスライフを祈っております。