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コリドラス水槽に外部フィルターを設置するメリット・デメリットを知りたい
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外部フィルターのろ過原理を知りたい
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外部フィルターの1か月の電気代を知りたい
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コリドラス水槽に適した外部フィルターの選び方を知りたい
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外部フィルターを設置すればエアレーションは不要か知りたい
コリドラス水槽のフィルターを検討する上でこれらの疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?
実は外部フィルターはコリドラス水槽と相性が良く、60cm規格水槽以上の水槽で飼育を考えている方に最もおすすめしたいフィルターです。
なぜなら設置によるメリットが多く、デメリットについても運用方法である程度緩和できるからです。
この記事ではコリドラス水槽に外部フィルターを設置するメリット・デメリットや適した外部フィルターの選び方を紹介します。
この記事を読むとコリドラス水槽における外部フィルターの特徴がわかるようになって、適した外部フィルターを選べるようになるよ
外部フィルターの原理と特徴
外部フィルターは水槽内に設置した吸水パイプからモーターによって水を吸いだし、ろ過槽を循環させることによって水をろ過するフィルターです。
モーターにパワーがあり、水流が強いことからろ過槽内に酸素がいきわたりやすく、ろ材の容量も多いためたくさんのバクテリアがろ過槽内で繁殖し、ろ過能力の高いフィルターになります。
外部フィルターのサイズによって対応する水槽のサイズやろ過槽の大きさ・流量は変わり、ろ過能力の高さから大きな水槽になるほど設置されることの多いフィルターです。
フィルターのサイズによって消費電力も異なり、60cm規格水槽用なら消費電力10W前後のため1か月の電気代は200~300円、90cm規格水槽用なら20W前後のため1か月の電気代は400~600円程度になります。
コリドラスとの相性がよく、60cm規格水槽以上の水槽でたくさんのコリドラスを飼育したい場合にメインフィルターとして水槽を支えてくれます。
関連記事>>>ろ過能力と相性で選ぶコリドラス飼育におすすめのフィルター
外部フィルターのメリット
ろ材容量が多くろ過能力が高い
フィルターは流量とろ材を入れるろ過槽の容量でろ過能力が決まります。
外部フィルターは流量が多く、ろ過槽が大きいためろ過能力の高いフィルターとなります。
外部フィルターはろ過能力の高さからコリドラスのような水を汚しやすい熱帯魚を複数飼育する場合でも水質を綺麗に保てるため安定して飼育することができます。
コリドラスは種類も多く、混泳も可能であるため最初は少数でしか飼育する予定がなかったとしても後から飼育したい種類が増えることはよくあることです。
特に制約がない場合は60cm規格水槽程度の大きめの水槽に外部フィルターを設置して飼育をしておくと、飼育数を増やしたくなったときにもそのまま対応できます。
静音性が高い
外部フィルターは水の吐き出し口を拡散吐出口かシャワーパイプかを選ぶことができ、拡散吐出口の場合は水面の高さを高めにすることにより非常に静かに使用することができます。
また、シャワーパイプを使用する場合でも水位を高くしてシャワーパイプを水中から水面に打ち上げるように設置することで非常に音が静かになります。
逆に空気中から放水された水が水面を打ち付けるように設置すると音が発生してしまいます。
水中から打ち上げる取り付け方をする場合に注意したいのは水槽内の水が蒸発して水位が下がってくるとシャワーパイプが水上に上がってくるため、角度や勢いによっては水槽外まで水がこぼれてしまいます。
シャワーパイプはなるべく低い位置に設置し水槽の水位はなるべく高い位置まで入れましょう。
モーター音についてもメーカーにもよりますが外部フィルターは気にならない商品が多いです。
少しでもモーター音が小さい方が良いという方は水中モーターを採用した外部フィルターを購入するとよいです。
音が大きいフィルターだと水槽をリビングに設置するとテレビの音が聞こえづらく、寝室に置くと気になり寝れなくなってしまいます。
静音性が高い外部フィルターであれば水槽の設置場所に音による制限を受けません。
エアレーションが不要
外部フィルターは水の吐出し口にシャワーパイプを使用した場合に限り、エアレーションの効果も果たします。
酸素は水面の揺らぎによって水の中に溶け込んでいきます。
エアレーション(ブクブク)からでる泡が水中に溶け込むと誤解されがちですが、実際はエアレーションの泡が水面まで登って水面を揺らすことによって水面から酸素が溶け込みます。
そして水流によって循環することで水面で酸素を含んだ水が全体にいきわたります。
自然界でも波や川の流れによる水面の揺らぎが水中に酸素を供給しています。
外部フィルターにおいてもシャワーパイプから放水される水を水面に当てるように設置すると水槽水面に揺らぎを発生させるため水に酸素が溶け込み、水流によって水槽全体に循環させることができます。
シャワーパイプを空気中から放水するように設置しても、水中から水面に打ち上げるように設置しても水面に揺らぎはできるから酸素は溶け込むよ
水中に酸素を溶かすことは夏場のコリドラス水槽では非常に重要で、夏は水温が上昇するため水中に溶けることができる酸素の最大量が低下します。
さらにコリドラスなどの熱帯魚が酸素を消費することによって、熱帯魚に影響はなくともフィルターに生息しているバクテリアは酸欠で死んでしまいます。
バクテリアの死骸とバクテリア減少によるろ過能力の低下は水質悪化を引き起こし、結果的に熱帯魚も死んでしまいます。
エアレーションやシャワーパイプを使用した外部フィルターを設置することで水温が上昇しても溶けることができる酸素の最大量を常にキープすることができ、バクテリアの減少を抑えることができます。
冷却ファンやクーラーで水温を下げて、溶けることができる酸素の最大量を増やすのと同時に行うといいよ
関連記事>>>【夏も冬も安心】コリドラス飼育に必要な水温管理方法
逆に水草水槽などの酸素量を増やしたくない水槽ではシャワーパイプの水を水槽壁面に向けたり、拡散吐出口を使用することで水面の揺らぎを抑え、水中の二酸化炭素を逃がしにくくすることができます。
水流が作りやすい
外部フィルターには流量調節つまみがついており、水槽内の水流の調節が可能です。
コリドラスは本来水流のある河川に生息しているため、水槽内にも水流をつくることで本来の生息地に近い環境を再現することができます。
ほどよい水流は流れに逆らって泳ぐ姿が鑑賞でき、運動不足解消にもなるなどコリドラスの健康にもよいです。
ただし強すぎる水流は逆効果でコリドラスの体力を奪ってしまいますし、止水域から出てこなくなるため鑑賞性も失われるので注意が必要です。
水槽に適した外部フィルターのサイズであれば流量調節つまみは基本的に全開でも大丈夫だよ。様子を見て流れが強いようなら弱めてあげよう
水流を作る場合は必ず水草、流木、シェルターなどで水流の弱い休める場所も作ってあげましょう。
関連記事>>>【100均で十分】コリドラス水槽における隠れ家の役割と重要性
シャワーパイプを水中から打ち上げるように設置すると、水槽前面に下向きの水流が発生するため、水流に逆らって泳ぐコリドラスを観察しやすくなります。
一度水面に当たっているため強い水流にならないのもポイントだよ
水槽底面を広くとれる
外部フィルターは吸水部と排水部を水槽内に設置する必要がありますが、水槽サイズに適したフィルターであれば水槽の底まで到達することはありません。
そのため水槽底面のスペースをすべてコリドラスの生活スペースとして確保することができます。
コリドラスは水槽底面で生活する熱帯魚のため水槽中層や上層よりも低層のスペースが最も重要であり、低層のスペースが狭いと過密状態になりストレスを感じてしまいます。
また、吸水部・排水部はそれぞれ餌が入り込んでコリドラスが食べれなくなるような狭い隙間を作らないため、食べ残しによる水質悪化が起きづらく大食漢なコリドラスとの相性がよいです。
吸水部の水槽底面からの高さはコリドラスが1匹入れるほどの隙間がありますので、水槽上部に照明を設置した場合に影ができ、コリドラスが休む場所にもなります。
コリドラスは影で休むから、よくボーっとしている個体が見れるよ
濾過槽内のろ材をカスタマイズできる
外部フィルターは購入時点でろ材が付属している場合が多いですが、自分でろ材を変更することによって生物ろ過・物理ろ過・化学ろ過の割合を変えることができます。
購入時はリングろ材・活性炭・スポンジろ材・ウールマットの組み合わせが多く、順に生物ろ過・化学ろ過・物理ろ過(生物ろ過)・物理ろ過(生物ろ過)を行うろ材です。
スポンジやウールマットにはバクテリアも繁殖するから生物ろ過の効果もあるよ
コリドラスの飼育では生物ろ過が最も重要なろ過方法となるため、活性炭を取り除いて空いたスペースをリングろ材にすることで生物ろ過を強化することができます。
ほかにもランニングコストを抑えるために定期的な交換が必要な活性炭やウールマットを取り除いて空きスペースに基本的には交換不要なリングろ材やスポンジろ材にするなど自分に合ったフィルターに調整することができます。
水草と相性が良い
水の吐き出し口に拡散吐出口を利用し、水面を高めにして水中から排水するようにするとシャワーパイプを利用した時とは逆に水面に揺らぎが発生しづらくなります。
揺らぎが発生しづらいということは水中に酸素が含まれづらくなり、二酸化炭素の濃度が高くなります。
水草を育成する場合、水中の二酸化炭素は成長に不可欠ですので拡散吐出口を採用した外部フィルターは水草水槽と相性が良いです。
ただしコリドラスが相性が良いのはアヌビアスナナやミクロソリウムといった活着性のある陰性水草です。
これらの水草は丈夫で特に二酸化炭素濃度を気にしなくても育成可能なため、難易度の高い水草をメインにコリドラス少数で飼育するような水槽を作りたい方以外は酸素濃度は高く保つほうがよいです。
拡散吐出口でも酸素が供給されないわけじゃないから水流をあまり作りたくない人にもおすすめだよ
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外部フィルターはろ過能力が高く、静かで性能の高いフィルター
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水槽底面を広くとれるためコリドラスとの相性が良い
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シャワーパイプか拡散吐出口を選べるため、飼育者に合った水槽を作ることができる
外部フィルターのデメリット
部品点数が多く掃除が面倒
コリドラスは水を汚しやすいため、他の熱帯魚の飼育に比べるとフィルターが汚れるのは早く掃除頻度も増えます。
しかし、外部フィルターは他のフィルターに対して構造が複雑なため、パイプやホース、吸水スポンジなど掃除が必要な部品点数も多くなります。
また、ろ過能力が高い分ろ材の容量も多く、掃除の手間は増えてしまいます。
対策としてなるべく掃除の楽な構造をした外部フィルターを選ぶことや、サブフィルターを設置することでフィルターの汚れを分散させて外部フィルターの掃除頻度を少なくすることが有効です。
関連記事>>>サブフィルターはコリドラス水槽に必要か?
ろ過能力が高く掃除が楽なフィルターとしては上部フィルターがあげられますが、上部フィルターは照明と相性が悪く、照明と上部フィルターで水槽上部がすべてふさがってしまうため水替えなどのメンテナンスが面倒になります。
フィルター清掃よりも水替えのほうが頻度が多いため、総合的に見ると外部フィルターの方が手間は減ります。
外部フィルターにも種類がたくさんあるから掃除のしやすいものとしにくいものがあるよ
関連記事>>>【目安も紹介】外部フィルターの掃除頻度と手間をかけない掃除方法
価格が高い
外部フィルターは高価なフィルターです。
メーカーや何cm水槽用のフィルターかにもよりますが同じ水槽に対応した他のフィルターと比べると価格が高くなります。
ろ過能力の高く大きな水槽でもメインフィルターとして使用できる上部フィルターと比べると倍以上の価格になるため、どうしても高く感じてしまいます。
長く使えるものであるため、コリドラス飼育に合ったものを購入するのが望ましいですが外部フィルターのメリットとデメリットを考慮した上で購入を検討する必要があります。
外部フィルターでもメーカーによって価格差があるから安いものを検討するのもいいよ
ろ過槽をどこに置くか考える必要がある
フィルターのろ過能力はろ材の量と流量で決まるため、ろ過能力が高いフィルターほどろ過槽の容積が大きくなり、広い設置場所が必要になります。
60cm水槽用の外部フィルターだとメーカーにもよりますが、ろ過槽だけで大体縦20cm×横20cm×高さ40cmほど必要になりホースを這わせる必要もあるため、あまりスペースに余裕がない場合は設置自体が難しくなってしまいます。
外部フィルターの購入前に水槽の設置場所と水槽の大きさを考慮して、あとどれだけ空きスペースがあるかを確認しておくとよいです。
また、どうしても外部フィルターを置くスペースがない場合は水槽台を購入することで設置場所を作ることもできます。
配管がごちゃごちゃしてしまう
外部フィルターは水槽内に吸水パイプや排水パイプ、商品によっては水中モーター、水槽外に吸水ホースや排水ホースなど水槽周りがごちゃごちゃしがちです。
ほかにもサブフィルターにスポンジフィルターを付けるとエアーチューブ、照明の電源コードや冬場はヒーター夏場は冷却ファンなどをつけると水槽周りはもう絡まって大変なことになり、見た目もよいとは言えません。
工夫すれば見えないところを通してスッキリ見せることもできなくはないですが、給・排水ホースを掃除するときは外す必要がありますし、季節が変わればヒーターや冷却ファンもつけたり外したりするので水槽周りがごちゃごちゃすればするほどこれらの作業は手間になります。
ヒーターや冷却ファンは年中取り付けたままにしておくという手もあるよ
小型水槽には向かない
外部フィルターの特徴をまとめるとろ過能力が高い代わりに価格が高く掃除に手間がかかるフィルターです。
小型水槽への設置を検討した場合に水量の少ない小型水槽では高いろ過能力を必要としないため、わざわざ高価で掃除が手間なが部フィルターを設置するメリットは少なく、スポンジフィルターのような安価で掃除の楽なフィルターのほうが適しています。
小型水槽で外部フィルターのろ過能力が必要になるほど水が汚れるようであれば餌の量や生体の飼育数などを見直す必要があります。
関連記事>>>水槽ごとの適正なコリドラス飼育数の確かめ方
外部フィルターのメリットが活きてくるのは大体60cm規格水槽(水量60ℓ)あたりからで水量によってどのフィルターを設置するかの参考にするとよいです。
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外部フィルターは掃除が面倒で高価で大きい
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小型水槽には向かず、60cm規格水槽以上の水槽で使用するのがよい
外部フィルターの選び方
飼育水槽に適したサイズを選ぶ
コリドラスはろ過能力の高いフィルターと相性がよいため、水槽サイズよりも1つ大きい外部フィルターを設置するという方もいらっしゃいますが基本的には水槽サイズ通りの外部フィルターを設置した方が良いです。
大きいフィルターを設置するとろ過能力は確かに高くなりますが水流が強くなりすぎてしまうため、コリドラスが物陰から出てこなくなったり、小さなコリドラスなどは体力を消耗して死んでしまう可能性もあります。
また、大きな外部フィルターは消費電力も多くなるため電気代も高くなります。
フィルターはメーカーがその水槽にあったろ過ができるように計算して作られたものです。
無理に大きいサイズを設置しなくてもろ過能力は十分間に合います。
外部フィルターをサイズアップしないとろ過が間に合わないようであればそれは餌の量や水替えの頻度、飼育数などを見直すべきです。
ろ過槽が大きなものを選ぶ
外部フィルターを設置する1番のメリットはろ過能力が高いことであり、ろ過能力はろ過槽に入るろ材の量と循環する流量によって決まります。
流量はレイアウトや飼育する生体の種類・大きさによって変える場合があるため、ろ過槽はなるべく大きいほうが良いです。
ろ過槽の大きさは同じサイズの水槽に対応した商品であってもメーカーによって異なるため、なるべくろ過槽の大きな外部フィルターを選びましょう。
ろ過槽の容量や流量は商品の箱や販売ページに書いてあることが多いよ
掃除が簡単なものを選ぶ
外部フィルターは部品点数が多く、ろ過槽が大きいため掃除が必要な箇所が多いです。
さらにコリドラスは比較的水を汚しやすい熱帯魚のため、フィルターの掃除頻度も増えてしまいます。
頻度が増えるのであれば手間はなるべくかからない外部フィルターを購入したほうが良いです。
掃除の手間がかからない外部フィルターの特徴は2つあり、1つめはろ過槽内部がろ材コンテナで区切られていること、2つめが水中モーターを採用していることです。
外部フィルターはろ過槽の中に複数の種類のろ材が入っていますがろ材によって洗い方は異なります。
そのためろ材コンテナごとに異なる種類のろ材を入れておけばコンテナごとに同じ洗い方ができるため掃除が簡単になります。
区切られていないとろ材が混ざったりして大変だよ
また外部フィルターはろ過槽側にモーターがついている商品が多く、掃除が終わった後に水槽に設置して呼び水という水をろ過槽に送る行為をする必要がありますが水槽側にモーターがついている水中モーターであればモーターの力でそのまま水をろ過槽に送り込めるため呼び水が不要になります。
2つともちょっとしたことですが外部フィルターの掃除のたびに関係してきますのでかなり楽に感じます。
関連記事>>>【呼び水不要】おすすめの外部フィルターGEXメガパワー6090レビュー
価格が安いものを選ぶ
外部フィルターはフィルターの中では高価です。
長く使えるものですので長い目で見れば実は大きな差はありませんが機能が同じならば安いに越したことはありません。
前に紹介した3項目を満たしていればあとは大きな差はないため、価格の安いものを選ぶとよいです。
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フィルターは水槽サイズに適したものを設置する
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ろ過槽はなるべく大きい商品を選ぶ
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ろ過槽がコンテナで区切られており、水中モーターを採用していると掃除が楽
まとめ
外部フィルターはモーターでろ過槽に水を循環させることによってろ過するフィルターです。
他のフィルターに比べてろ過能力が高いことがメリットですが外部フィルター本体の価格が高く掃除が面倒などのデメリットがあります。
メリットはそのままに、なるべくデメリットを緩和するにはろ過槽内がコンテナで区切られており、水中モーターを採用した商品を購入するとよいです。
小型水槽では高いろ過能力を必要としないため、外部フィルターは60cm規格水槽以上の大きさの水槽でコリドラスを飼育する場合におすすめできるフィルターです。
大きな水槽に設置すればろ過能力の高さからたくさんのコリドラスを安定して飼育することができるようになります。
というわけで、みなさまのよいコリドラスライフを祈っております。
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