- 水槽内のコリドラスが体調不良か判別したい
- ショップで元気なコリドラスを購入するコツを知りたい
- 体調不良の個体の今後の対処を知りたい
- 体調不良になった原因を知りたい
- 今後の対処に必要になる薬を知りたい
これらの悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
実はコリドラスは病気になると死んでしまう可能性が高く、早期発見が重要な熱帯魚です。
なぜならコリドラスはエロモナス症やカラムナリス症といった致死性の高い病気にかかりやすいため、一度病気になると立て直しが難しく、軽症時の対応が命運を分けるからです。
この記事では元気がないコリドラスに確認できる特徴と、その原因・対策について解説します。

この記事を読むとコリドラスの体調不良に早期に気づけるようになり、改善する確率を高めることができるようになるよ。
元気がないコリドラスの特徴は以下の通り。
コリドラスの体調不良は必ず経験する

コリドラスは普段水槽の底面で生活する熱帯魚のため、水槽の汚れの影響を受けやすく、エロモナス症やカラムナリス症といった進行が早く致死性の高い病気にかかることが多いです。
一度病気になると立て直すのが難しいため病気を治す方法よりも病気にさせない方法のほうが大切です。
とはいえ家庭の事情でアクアリウムに時間を割けなかったり、気温の変化や機器の不調で体調を崩してしまうことは必ずあります。
初期症状を理解して早期に発見し、素早く正しい対処ができるようにしておくことが重要です。
ショップにはすでに体調を崩した個体が販売されている場合もある

ショップで販売されているコリドラスは輸送やショップでの管理方法などさまざまな要因でストレスがかかっているため、個体によっては体調を崩してしまうことがあります。
特にある程度人気があり、大量に入荷する種類は体調が悪い個体が混ざってしまう確率が高くなります。
自分の水槽で飼育していて病気に気づいてすぐに対処しても立て直しが難しいのに、ショップに並んでいる時点で病気では立て直すのはかなり厳しいと言わざるを得ません。
コリドラスは本来弱い熱帯魚ではないため、購入してすぐに死んでしまった場合は、もともと調子が悪かった個体を購入した可能性が考えられます。
オンラインショップでは確認しようがありませんが、実店舗での購入の場合は体調の良い個体を見分ける知識を持つことが大事であり、少しでも様子がおかしいと感じたら買わないという選択をとることが望ましいです。
【経験からわかった】元気がないコリドラスの特徴13選

背びれをたたんでいる
元気なコリドラスは背びれをピンと立てていますが、調子が悪いと背びれが背中にくっつくくらいたたんでいることがあります。

注意点としてコリドラスは元気な時でも背びれを半分くらいたたむことはあるため、背びれだけで絶対に体調不良と断定することはできません。
しばらく観察して、違う場所に泳いだ後に背びれがピンと立つようになれば問題ないですが、移動後も常にたたんでいる場合は体調を崩している可能性が高いため、隔離して塩浴をしたほうがよいです。
後に説明する症状が複数確認できる場合はすぐに薬浴を行いましょう。
尾びれをたたんでいる
元気なコリドラスは尾びれをピンと広げており、尾びれの先にいくほど広がっています。
しかし、調子が悪いと尾びれをたたんで先に行くほど細くなります。

背びれをたたむ特徴と同時に確認できることが多く、同時に確認できた場合は明らかに弱っているため、すぐに薬浴が必要です。
泳ぐときは背びれ・尾びれ共に広げますが、じっとしていると徐々にたたまれていくことが多いです。

尾びれのみなら隔離後に塩浴がおすすめ。上の画像の個体は背びれも尾びれもたたんでいるのですぐに薬浴が必要な状態だよ。

実際この個体は、この後すぐに尾ぐされ病を発症しました。
ヒゲが溶けている
コリドラスは6本のヒゲをもっていますが、このうち何本かが溶けて短くなってしまうことがあります。


右ヒゲが根元近くまで溶けてしまっているね。
水質悪化や水槽の底に汚れがたまっているときに確認できることが多いです。
ヒゲが溶けただけであればまだ十分に立て直すことが可能で、体調が戻ればヒゲも元通り再生します。
そのまま放置してしまうとエロモナス症やカラムナリス症を発症する可能性が高く、早急に水槽底面を重点的に掃除し、水換えを行い、フィルター掃除をする必要があります。
コリドラスは隔離して塩浴を行い、ヒレが溶けるなどの他の特徴が発生しないか1週間程度様子を見ましょう。

ヒゲが再生し始めたらもう安心だよ。
関連記事>>>アクアリウム初心者でもできる失敗しないコリドラス水槽の水換え方法【9つの手順】
関連記事>>>コリドラスのヒゲがなくなるのは病気?
ヒレが溶けている
尾びれや背びれなどが先端から溶けていく状態です。


尾びれがすごく短くなってしまっているね。
溶けて短くなっていない場合でもヒレの先端が白っぽくなっていたら要注意です。
尾ぐされ病の典型的な症状で水質悪化によるカラムナリス菌の増殖が原因で引き起こされます。
ヒレの先端だけに症状が出ている状態であればまだ間に合う可能性は高いですが、放っておくとすぐに重症化するため早急な隔離と薬浴が必要です。
ヒレの先端であれば、溶けても症状が改善すると再生します。

画像のコリドラスの尾びれもきれいに再生しました。
ヒレが短くなって内出血が確認できるようになると、立て直すことは非常に厳しくなってしまうため、薬浴までのスピードが重要になります。
ヒレや体表に白いもやもやがある
ヒレの一部や体表のどこかに白いもやもやがある状態で、場所は腹付近であったり口であったりします。
水カビ菌が体表で繁殖することで発生し、水質悪化やコリドラスがケガをしている場合に傷口から発生することが多いです。

重症化するとカビの浸食範囲がどんどん増え、エラが浸食されると呼吸できなくなり死んでしまいます。
比較的気づきやすく、進行も早くはないため、放っておかずにすぐに薬浴すれば立て直せる可能性が高い病気です。
関連記事>>>コリドラスの水カビ病治療と予防法【体験談アリ】
ヒレから糸くずのようなピロピロしたものが見える
背びれや尾びれなどの先から糸くずのようなものが見える状態です。


しりびれにたくさんぴろぴろがついてるのがわかるかな?。
細かいためよく見ないと確認できませんがコリドラスが寄生虫に寄生されているときに確認でき、寄生が進むと体を痒がり水槽底面や流木などに擦りつけはじめます。
ギロダクチルスやダクチロギルスといった寄生虫が原因で、新しい生体を水槽に入れた際に生体と一緒に水槽内に持ち込んでしまいます。
新しい生体、特にコリドラスを新しく購入した場合はトリートメントでピロピロがいないことを確認するのは必須です。

生体を水槽に入れる前にトリートメントを実施すれば防ぐことができます。
関連記事>>>初心者でもできるコリドラス飼育におすすめのトリートメント方法
一度水槽に入れてしまうと、寄生虫は水槽内で繁殖して他のコリドラスにもどんどん寄生するため非常に厄介です。
飼育水槽内で発見した場合はすでに他のコリドラスにも寄生している可能性が高いため飼育水槽ごと対策する必要があります。
寄生されたコリドラスは、ずっと放置すると死んでしまいますが、寄生が進むと寄生虫も少し大きくなるため確認しやすくなり、コリドラスの痒がる挙動も頻繁になるため、気づきやすくなります。
一番の問題は有効な薬がないということで、0.8%程度の高濃度塩水浴が有効ですが、生体への影響も大きいため難しい方法となります。

昔は『リフィッシュ』という薬がありましたが現在は手に入りません。

新規購入生体は必ずトリートメントすることで水槽内への侵入を防いで、新規生体のみ塩浴というのが現実的な対策になるね。
体を痒がっている
体表を水槽の底面や流木などに頻繁にこすりつけている状態です。

健康な個体でもまれに行う行動のため『頻繁』かどうかが重要です。
原因として考えられることは2つあり、1つ目は寄生虫に寄生されていることでギロダクチルスやダクチロギルスといった寄生虫に寄生されると体を痒がる動作をするため、塩浴や薬浴で駆除する必要があります。
2つ目は水質の悪化で水の富栄養化によりカラムナリス菌が増えることで痒がり始めます。
水質悪化の場合は放っておくとカラムナリス症を発症し死んでしまうため、痒がっている段階で発見・対処することが重要です。
痒がっているだけでしっかりと泳いで餌も食べているようであれば、水槽の水換えと念入りなフィルター掃除のみで回復することも多いです。
しかし、後から背びれをたたむ・内出血しているなど病気の症状がみられる場合もあるので、隔離して塩浴をしながら痒がる動作をしなくなるか2~3日注意深く観察するのがおすすめです。

他の症状が見られたらすぐに薬浴に切り替えましょう。
痒がって擦った部分が傷になり傷口から水カビ病を併発する可能性もあり、注意が必要な状態です。
水面ダッシュに力がない
コリドラスは腸呼吸をする熱帯魚であり、水面まで勢いよく泳いで空気を吸ってUターンし水槽の底に戻ってくるという通称『水面ダッシュ』とよばれる行動を行います。
行動自体には何の問題もなく、元気な個体はUターン時に水面の水が跳ねることもあるほどです。
しかし、泳ぎ方に力がなくゆっくりふらふらと泳いでいる場合は元気がない証拠です。
病気にかかっている可能性が高いためすぐに隔離・塩浴して他の元気がない特徴がないか2~3日確認する必要があります。
元気な個体でも水面ダッシュをする頻度はそこまで高くなく、一瞬で終わってしまうため水面ダッシュから体調不良がわかることは稀です。

体調が悪いとわかっている個体の水面ダッシュが弱々しいと感じることはよくあります。
餌を食べずにじっとしている
コリドラスは雑食性で大食漢です。
基本的には好き嫌いがなく、たくさん餌を食べてくれます。
他のコリドラスがたくさん餌を食べているのに、物陰でじっとして食べていない個体がいた場合は要注意です。
すでに何らかの病気にかかっていて、ある程度進行している可能性が高いです。

比較的わかりやすいので、餌を与えるときは食べるそぶりを見せない個体がいないか確認する癖をつけておくといいです。
放っておくとヒレが溶ける・ホバリングする・内出血するなどの症状が高確率で見られるようになるためすぐに隔離・薬浴する必要があります。
ホバリングしている

通常は水槽の底でじっとしているか、底砂をモフモフしているかなど基本的に水槽の底面に接した状態でいる時間が大半ですが、水槽の中層付近をふらふらと泳いで底面に降りようとしない場合は要注意です。
餌を食べないなどの他の特徴がみられることも多く、病気になっている可能性が高いため、すぐに隔離・薬浴が必要です。
病気によって体が浮いてしまう状態になっていることが多く、薬浴するときは隔離容器に隠れ家などを入れ、隔離容器と隠れ家の隙間に体をひっかけてコリドラスが沈んだ状態を維持しやすい環境にしておくと、浮いた体を鎮めようと体力を使うことがなくなるため回復しやすいです。


上の画像のようにサテライトと隠れ家の間に隙間をつくるように設置すると、コリドラスが丁度良い隙間を自分で見つけて挟まるようになるよ。
目がくぼんでいる
目が通常に比べてくぼんでいる状態です。


アイバンドがある種類のコリドラスだとくぼんで目の周りの色が体色と同じになるためわかりやすいよ。
餌を食べない状態とほぼ必ずセットになっており、かなり衰弱している状態です。
病気が進行している可能性が高く、すぐに隔離して薬浴が必要ですが立て直すのは非常に困難です。
目が飛び出している
通常に比べて目が飛び出している状態です。
ポップアイと呼ばれるエロモナス症を発症しているときによくみられる現象です。


ネオンテトラがポップアイになると上の画像のようになるよ。

コリドラスではいい参考画像がありませんでした。
合わせて内出血などがみられる場合もあり早急な隔離・薬浴が必要です。
他の熱帯魚では治ることもありますが、コリドラスにおいては非常に厳しい状態です。
内出血している
腹部などの一部が赤く内出血している状態です。


お腹が赤く内出血しているね。
エロモナス症を発症しているときによくみられる症状です。
餌を食べない、背びれや尾びれをたたんでいるなどと複数の症状が確認できることが多いです。
早急に隔離して薬浴をする必要がありますが、内出血してしまうと立て直すのは難しいです。
- ヒレが溶ける、痒がる → カラムナリス症の可能性が高い
- ヒレや体表に白いもやもや → 水カビ病の可能性が高い
- ヒレや体表にピロピロ、痒がる → 寄生虫の可能性が高い
- 目が飛び出している、内出血している → エロモナス症の可能性が高い
- その他症状 → 衰弱または上記のどれかと併発の可能性が高い
元気なコリドラスの特徴

調子の悪い個体の見分け方だけでなく、良い個体の見分け方を紹介します。
紹介する特徴が確認できなかったからといって体調が悪いわけではないのでご注意ください。
腹びれで立っている
水槽の底面でじっとしているときに腹びれで立っている個体は元気な可能性が高いです。

全体的にピシっとしていて見るからに健康的な印象を受けます。
健康な個体でも腹びれで立たずにお腹を水槽底面につけていることはよくあるため、あくまで参考程度の特徴です。
モフモフしている
コリドラスの1番の特徴ともいえるモフモフする動作も元気な個体を確認する指標になります。

泳ぎ回っては底砂に口を突っ込んでいる個体は元気で食欲も旺盛なことが多いです。
水流に逆らって泳いでいる
水流に逆らって泳ぐ個体は体力がある元気な個体であることが多いです。

コリドラスは水流を好む熱帯魚であるため、ちょうどよい水流を作ってあげると流れに逆らって泳ぐコリドラスをたくさん鑑賞することができるようになります。

運動不足解消にもなるよ。

ショップで新しく購入する場合は水槽壁面を上下に泳ぎ回っている個体がおすすめです。
餌をよく食べる
最後に餌をよく食べる個体も元気がある個体です。

コリドラスは大食漢で餌をよく食べ、好き嫌いも少ないです。
元気な個体は餌が水槽に入れられるとすぐに寄ってきて食べ始めます。
餌を入れてしばらくしても寄ってこない場合は気づいていない可能性もありますが体調不良の可能性もあるので気にかけてあげましょう。
ショップでの購入時に元気な特徴までわからない場合は『元気がないコリドラスの特徴に当てはまらない個体』を選ぶようにしましょう。
- 元気なコリドラスの特徴は『腹びれで立っている』『モフモフしている』『水流に逆らって泳いでいる』『餌をよく食べる』の4つ
- 元気な特徴がみられなかったとしても体調が悪いとは限らない
- ショップで選ぶときは元気な特徴に当てはまる個体よりも元気がない特徴に当てはまらない個体を選ぶようにする
コリドラスが体調を崩す原因の大半は水質悪化

元気がないコリドラスの特徴と原因を紹介しましたが、コリドラスが体調を崩す原因の大半は水質悪化です。
水質悪化によって発症するエロモナス症やカラムナリス症は進行が早く、立て直しが非常に難しい病気です。
病気から立て直す方法よりも病気にならないように普段の水槽管理を見直すことの方が重要です。
関連記事>>>コリドラス水槽の水質悪化を防ぐコツ
また、体調の悪いコリドラスを発見した場合は必ず水換えとフィルター掃除を行うようにしましょう。
関連記事>>>【目安も紹介】外部フィルターの掃除頻度と手間をかけない掃除方法
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コリドラスに必要な薬

コリドラスの体調不良の大半は水質悪化からきており、最終的にはエロモナス症やカラムナリス症を発症することが多いです。
これらは進行が早く重症化しやすいため、薬浴が必要と記載した特徴についてはエロモナスやカラムナリスが原因であると特定できない段階でも薬浴するくらいでないと手遅れになってしまいます。

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エロモナスやカラムナリス症の場合、私は以下のどちらかの薬を使っています。
水槽内全体に病気が蔓延している場合以外は対象のコリドラスだけを隔離して薬浴を行いますが、隔離にはサテライトLがあると便利です。

薬浴の詳しい方法は以下の記事で解説しています。
関連記事>>>【保存版】コリドラスの薬浴ガイド|必要な道具と流れまとめ
まとめ
水槽底面で生活するコリドラスは水槽の汚れの影響を受けてエロモナス症やカラムナリス症といった致死性の高い病気にかかりやすいです。
立て直すのは慣れた飼育者でも難しく、早期発見と体調の悪い個体を購入しないことが重要です。
体調の悪い個体の特徴は複数あり、特徴によって立て直せる確率は大きく変わります。
複数の特徴を同時に確認できることもあり、普段からしっかりと観察できていることが早期発見につながります。
コリドラスが体調を崩す原因の大半は水質悪化であるため、体調が悪い個体を見つけた場合は水換えとフィルター掃除を必ず行うようにしましょう。
体調不良の特徴が多く、最初は判別が難しいかもしれませんが普段から意識して観察していると『いつもとどこか違う』『調子が悪そう』となんとなくわかるようになります。
まだコリドラスを購入していない人は体調不良の特徴を意識して元気の良い個体を購入しましょう。
新しい生態を購入したら水槽に入れる前にトリートメントが必要です。
トリートメントについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事>>>【コリドラスで実演】アクアリウム初心者でもできる熱帯魚のトリートメント方法




