小型の熱帯魚飼育において産卵した卵や稚魚は親魚に食べられてしまうことが多く、繁殖を狙うには卵を隔離するボックスが必要になります。
隔離ボックスは孵化した稚魚の飼育や水槽内の弱い魚を隔離させるなど多くの用途で使用できるため、小型の熱帯魚飼育では必須の道具です。
しかし、隔離ボックスといってもたくさんのメーカーの商品が存在するため、どれがよいかわからない人も多いと思います。
そこで、隔離ボックスの中で最もおすすめできるスドーサテライトLの特徴を紹介し、他の隔離ボックスとの違いや使用用途について詳しく解説します。
この記事を読むとサテライトLの使い方がわかって熱帯魚の飼育の手間を減らすことができるようになるよ
スドーサテライトLの概要と特徴
サテライトLはほぼすべての水槽に設置可能な大型の隔離ボックスです。
製品名 | サテライトL |
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適応魚種 | グッピー、プラティ、ベタ、メダカ、ビーシュリンプ等 |
仕様 | 外掛式 |
本体寸法 | 約260×145×125mm |
容積 | 2L |
サテライトLの特徴
サテライトは透明なプラスチックでできた隔離ボックスで水槽内に設置する網タイプの商品と比べて中の生体が観察しやすいという特徴があります。
内部は付属のセパレーターを使うことにより最大3部屋に分割することができます。
付属の蓋には中央に穴が開いており、閉めたままでも餌を与えられ、両脇にはロックも付属しているため飛び出しが心配な生体でも安心して隔離することができます。
取り付けは外掛け式であり、水槽内のスペースを使うことはなく、底面のパラレルアジャスターにより水槽のフレームの有無に関係なく水平に取り付けることが可能です。
水槽内の水はエアリフト式でサテライト内に組み上げ、水流調整弁で好みの水流を作ることができます。
サイズはL以外にもSやM、スリムといった種類があり、飼育者の必要なサイズを選ぶことができます。
サテライトの使い方だと大は小を兼ねるから特にスペースに制限がない場合はLサイズがおすすめだよ
サテライト使用前に揃えておくもの
エアーポンプ
サテライトはエアリフト式で水槽内の水を共有するため、別売のエアーポンプを用意する必要があります。
エアーポンプの吐出量によって水流が変化するため、用途や隔離する生体に合った商品を選ぶ必要があります。
しかし、基本的にサテライトの使用は稚魚や調子の悪い個体の隔離に使用することが多く、水流は弱いほうが都合がよいため吐出量の少ないエアーポンプで困ることはほとんどありません。
吐出量の多いエアーポンプを水流調整弁で調整しても使えるけど、以下のような一番小さいエアーポンプで十分だよ
エアーチューブ
サテライトから水流調整弁までのエアーチューブは付属していますが水流調整弁からエアーポンプまでは別売のため用意する必要があります。
エアーチューブは水につけていると固くなるためシリコン製の柔らかいタイプが付け外ししやすく使いやすいです。
エアーチューブは3mや5mなど商品によって長さが異なるため、それぞれの飼育環境に必要な長さを購入しましょう。
エアーポンプとエアーチューブの両方を購入する必要があり、初めてで何を購入したらよいかわからないという方はスターターセットを購入すれば両方とも付属されています。
グレードアップセット
サテライトには本体とは別売で『グレードアップセット』と『グレードアップセット2』という商品が存在します。
グレードアップセットはエアリフトの泡を細かくすることでサテライトに水が共有されるときのコポっという音を小さくすることができます。
必ず必要な部品ではありませんが使用してみて音が気になるようであれば購入を検討してみてもよいでしょう。
グレードアップセット2はサテライト内から飼育水槽に水が戻る部分を柵から網に変更できる商品です。
柵のままだと目が大きく稚魚がすり抜けて飼育水槽まで流されてしまうため、サテライトで稚魚飼育を行う場合は必須の商品となります。
上が標準、下がグレードアップセット2を取り付けた状態だよ
小型熱帯魚飼育におけるスドーサテライトLの使い方5選
飼育水槽の代用として
サテライトLは小型の飼育水槽として使用することができ、特にケガをした個体や衰弱した個体の隔離に適しています。
隔離水槽を別で用意するよりもサテライトを使用するメリットは以下の4点です。
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水槽に外掛けで設置できるため少ないスペースで済む
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エアリフト式で飼育水槽と水を共有するため水温管理やフィルターが不要
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スペースが広すぎないため生体がじっとする
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水流が弱いため体力を消費しない
他にもスペースの狭さを利用して餌付きづらい生体を餌付かせるのにも役立ちます。
ただしスペースや水量の関係でサテライト内で長期飼育できる生体は限られてしまいます。
ベタなどであれば長期飼育も可能ですが一時的な隔離場所として使用するのが基本です。
稚魚飼育水槽の代用として
サテライトLは稚魚の飼育水槽としても使い勝手がよい商品です。
熱帯魚の卵や稚魚はそのまま飼育水槽に放置すると親魚や混泳する他の熱帯魚に食べられてしまいます。
卵や稚魚を発見したらサテライトに隔離するようにしましょう。
サテライトが稚魚飼育に適している理由は以下の3点です。
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設置が簡単なため卵や稚魚を確認してから設置しても間に合う
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水流が弱いため体力の少ない稚魚にやさしい
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スペースが広すぎないため稚魚がブラインシュリンプなどの餌を食べやすい
特に稚魚の餌として有名なブラインシュリンプは稚魚飼育水槽を用意してもフィルターの水流で散らばりやすく、内掛けタイプの隔離ボックスでは穴や網目から飼育水槽にすり抜けてしまうためサテライトが最も使いやすいです。
注意点としてはサテライトは水面から水が流入し、水面から流出していくため低層の水が循環しづらい構造になっており、低層を泳ぐような稚魚を飼育する場合は定期的に底面を掃除する必要があります。
簡易的な水合わせとして
サテライトLを使用すると放っておくだけで簡単に水合わせをすることができます。
水合わせとは生体を異なる水槽に移すときに水質が大きく異なると生体がショックを起こしてしまうため、移動先の水を少しづつ混ぜることで移動先の水質に徐々に慣れさせる作業です。
サテライトはエアリフト式であり、水流調整弁も付属しているため、飼育水槽の水を少量ずつ流れ込ませることができます。
サテライトを設置し、生体を入れて水流を調整するだけで水合わせが完了します。
ただし、購入時の熱帯魚をサテライトで水合わせすると飼育水槽の水とショップの水が混ざって、病気や寄生虫が飼育水槽に侵入する可能性があるため事前に必ずトリートメントを行う必要があります。
自分の管理する水槽間で生体を移動させる場合にサテライトで水合わせをすると手間がかからず便利です。
水質の変化に敏感な生体は自分の管理する水槽間でもサテライトではなく点滴法で水合わせしたほうがいいよ
関連記事>>>【自作で簡単点滴法】コリドラス飼育におすすめの水合わせ方法を徹底解説
トリートメント水槽の代用として
サテライトLは水槽に内掛け設置することで本来とは異なる使い方をすることができます。
1つ目はトリートメント水槽としての使用です。
トリートメントとは購入した生体が病気や寄生虫に寄生されていないかを確認する作業であり、病気や寄生虫が飼育水槽内に侵入するのを防ぐのが目的です。
サテライトは内掛けすることによりサテライトと飼育水槽の水を隔離した状態にできるため、病気や寄生虫が侵入することはなく飼育することができます。
関連記事>>>【コリドラスで実演】アクアリウム初心者でもできる熱帯魚のトリートメント方法
水量も少なくフィルターもない環境ですが1~2匹の生体であればトリートメントの目安である1~2週間程度ならば何の問題もなく飼育することができます。
生体の数が1~2匹ならエアレーションも不要だよ
注意点としては内掛けで使用する場合はサテライトLの容量は2Lと多いわけではないため、水質悪化に気を付けながら定期的に掃除を行い、餌も少なめに与える必要があります。
餌はブラインシュリンプなどの栄養価や嗜好性が高いものがいいよ
薬浴水槽の代用として
内掛け設置での使用方法の2つ目は薬浴水槽としての使用です。
薬浴は病気や寄生虫に寄生された個体を薬の効力で治すために実施しますが、飼育水槽内に投薬すると他の健康な個体も薬の影響で体調を崩してしまう可能性や水草が枯れてしまう場合があります。
内掛けしたサテライトは水が飼育水槽と隔離されているため投薬しても飼育水槽には影響がなく隔離した生体のみを薬浴することができます。
また、トリートメントをサテライトで実施した場合は設置方法が同じなので、そのまま薬浴できるため手間がかかりません。
ただし、サテライトの水量は少ないため薬の量には十分気を付ける必要があります。
関連記事>>>サテライトでの薬浴方法
薬の入れすぎで生体が死んでしまったら元も子もないよ
まとめ
サテライトLには多様な使い方があり、小型の熱帯魚飼育には必需品です。
サイズ違いの商品が複数存在しますがサテライトの使い方では大は小を兼ねるためLサイズがおすすめです。
稚魚の飼育を検討している方は忘れずにグレードアップセット2も準備しましょう。
病気や産卵など急に必要になる場合が多いため、事前に準備してしておくといざという時に困りません。
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関連記事>>>アクアリウムをするならAmazonプライムに登録したほうが良い理由6選
飼育の手間を圧倒的に減らしてくれるため、まだ持っていない方は購入を検討してみるとよいと思います。
というわけで、みなさまのよいコリドラスライフを祈っております。
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