- コリドラスの薬浴に必要な道具を知りたい
- コリドラスの薬浴方法を知りたい
- コリドラスの薬浴期間を知りたい
このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
実はコリドラスの薬浴は他の熱帯魚に比べて難易度が高いです。
なぜなら、ナマズの仲間であるコリドラスは魚病薬に対する耐性が少ない上に、進行の早い病気にかかることが多いからです。
この記事では、今までにコリドラスを何度も病気から立て直した経験をもとに、簡単にできる実体験をもとにした薬浴方法を紹介します。

この記事を読むと、コリドラスを簡単に薬浴できるようになるよ。
コリドラスの薬浴に必要な道具
コリドラスが発症する病気には進行の早いものが多いです。
調子を崩してから道具をそろえたのでは間に合わなくなってしまうため、事前にそろえておくようにしましょう。
魚病薬
病気の原因となる菌を殺菌するために使用します。
魚病薬はコリドラスの症状に合ったものを用意する必要があり、適した薬でないと効果がないだけでなく、無駄に体力を消耗させてしまいます。
事前にしっかりと観察して判断しなければいけません。

私は以下の薬を常備しています。
関連記事>>>【病気の早期発見に必須】元気がないコリドラスを見分ける13の特徴
サテライトL
投薬する隔離容器として使用します。
コリドラス1~2匹であればサテライトLを使用すると、隔離水槽を用意しなくても薬浴することができます。
さらに、サテライトを水槽の内側に掛けることでヒーターが必要なく、設置場所も最小限で済みます。
3匹以上で薬浴が必要な場合でも、サテライトLを複数個使用することで対応することができます。

サテライトLは薬浴以外にも使い道がたくさんあるから持っておいて損はないよ。
関連記事>>>【小型熱帯魚飼育の必需品】スドーサテライトLの使い方を徹底解説
小型の隠れ家
隔離容器内でコリドラスが休める場所を作るのに使用します。
コリドラスは普段は影になる場所でじっとしていることが多い熱帯魚です。
薬浴中も隠れ家を入れることで落ち着き、ストレスを軽減することができます。
サテライトを使用する場合は大きな隠れ家は入らないため、1~2匹がギリギリ入れサイズの隠れ家を用意するとよいです。
関連記事>>>【100均で十分】コリドラス水槽における隠れ家の役割と重要性
スポイト
サテライト内の掃除に使用します。
サテライトや小型水槽で薬浴する場合は、先が細いスポイトだと汚れを取りやすいです。
薬浴中は薬の影響で、フィルターのバクテリアが死んでしまうため、フィルターを設置することができません。スポイトで糞などの汚れを毎日丁寧に掃除する必要があります。
また、サテライト程度の水量であれば、水換えもスポイトで行うことができます。

スポイトはダイソーの商品が安くておすすめです。
関連記事>>>【2025年版】ダイソーで買える実際に使って良かったアクアリウム用品17選
空のペットボトル
顆粒の薬を使用する場合に、投薬する薬の量を正しく量るために使用します。
サテライトLは容量が少ないため、顆粒の薬を重さで量ろうとしても0.01g単位の精度が求められ、家庭用のキッチンスケールなどでは正確に量れません。
ペットボトルの水に溶かしてmlに換算すると簡単に量ることができます。
500mlと2Lをそれぞれ1本ずつ用意すると使いやすいです。
- 薬浴道具は事前にそろえておく
- 薬、サテライトL、隠れ家、スポイト、ペットボトルがあれば薬浴できる
コリドラスの薬浴手順
道具がすべてそろっていれば、誰でも簡単に実践できるコリドラスの薬浴方法を紹介します。
サテライトLに隠れ家と飼育水を入れる
サテライトLで薬浴する場合は、仕切り板はすべて外しておきます。
サテライト内に小型の隠れ家を設置して、調子が悪い個体が泳いでいる水槽の飼育水を入れます。
サテライトにコリドラスを移動する
飼育水を入れたら、病気のコリドラスをサテライトへ移動します。
コリドラスのいた水槽から飼育水をサテライトに移しているため、水合わせを行う必要はありません。
また、サテライトL1つあたりにコリドラス2匹以下なら水面から供給される酸素で十分なため、エアレーションも設置する必要はありません。
薬浴中は病気の進行や改善を確認する必要があるため、必要最低限のもの以外は入れないほうがよく、底砂も不要です。
飼育水槽にサテライトを設置する
サテライト内にコリドラスを移動したら、サテライトを飼育水槽に設置します。
サテライトを本来の向きとは逆向きの水槽内にサテライトが浸かるように設置するのがポイントです。
逆向きに設置することで、サテライト内の水が飼育水槽の水で温められ、ヒーターが不要になります。
また、飼育水槽とサテライトの水は完全に切り離されるため、サテライト内のみを薬浴することができます。
飼育水槽の水が蒸発して、水位が下がるとサテライトに熱が伝わらなくなるため、水位はなるべく高くし、蒸発してきたら水を足すようにしましょう。

夏場に冷却ファンをつけている場合は特に注意が必要です。
また、飛び出し防止のため、設置が完了したらサテライトの蓋をしっかりと閉めましょう。
薬を準備する
サテライトが設置できたら、投薬する薬の準備をします。
エルバージュエースやグリーンFゴールド顆粒などの顆粒状の薬はサテライトのように水量が少ない容器に対して適量を測定するのは困難です。
最も簡単な方法は一定量の水に溶かして測定することです。
エルバージュエースを例にすると1袋あたり0.5gの4袋入りで販売されていますが、50Lの水に対して0.5g薬が適量となります。
1Lあたり0.01g、サテライトLの容量は2Lのため0.02gとなりますが、軽すぎて測定することができません。
では500mlの水に0.5gを混ぜると50Lに対して500mlの薬が適量となります。

500mlのペットボトルで管理するのがおすすめです。
1Lに対して10mlでよく、サテライトLの容量である2Lには20mlが適量となります。
10mlや20mlであれば計量スプーンで簡単に量ることができます。

計量スプーンはダイソーで簡単に手に入ります。
関連記事>>>【2025年版】ダイソーで買える実際に使って良かったアクアリウム用品17選
薬の種類が異なると適した量は変わりますが、考え方は同じです。
また、コリドラスは薬に弱いため、8割程度の濃度で投薬するのがおすすめです。

500mlに溶かしたエルバージュエースの例でいうと16mlだね。
また、薬によっては光で分解される性質のものもあるため、薬や水に溶かした薬は冷蔵庫などの光の当たらない場所で保管しましょう。

長期保管は無理なので、病気の個体が治ったら捨てましょう。
投薬する
薬ができたら適量をサテライト内に投薬します。
薬は一気に入れるのではなく、1/3程度の量を時間を空けて入れることで、徐々に濃度を濃くしていき、コリドラスがびっくりしないようにしましょう。

一度投薬したら1時間くらい空けるといいよ。
光で分解される薬の場合は部屋のカーテンを閉めて、水槽の照明も切りましょう。

光で分解される代表的な薬としてはエルバージュエース、グリーンFゴールド、メチレンブルーなどがあります。
掃除と水換えをする
サテライトは水量が少なく、水が汚れやすいため、毎日掃除と水換えが必要です。
掃除はスポイトで底に溜まった糞などの汚れを吸い出すように行うとよいです。
隠れ家の周りは汚れが溜まりやすいので、丁寧に掃除するようにしましょう。
換水量はサテライトの1/4~1/3程度を目安にするといいです。
また、水換え後も薬浴を続けるか一旦終えるかで対応が変わります。
終える場合は換えの水に飼育水槽の水や、カルキ抜きした水道水を使うことでサテライト内の薬の濃度を徐々に下げていけばいいです。
薬浴を続ける場合は、換水した量だけ薬を追加するのは大変なため、水換え用の薬浴水を用意すると楽です。
2Lの大きいペットボトルに水を入れて、『薬を準備する』で作った500mlペットボトルから適量を混ぜて水換え用薬浴水としてストックしておきます。

2Lのペットボトルならサテライトと容量が一緒だから考えやすいよ。

0.5gを50Lに溶かす顆粒の薬を使って、薬の準備から水換えまでを絵にすると以下の通りです。
餌を与える
薬浴期間が1~2日程度であれば、餌を与える必要はありませんが、長期で薬浴する場合や1度の薬浴では回復しなかった場合などは餌を与えます。
また、1~2日程度の薬浴であっても、餌を食べる体力があるか確認するために与えるのもよいです。

経験的に薬浴時に餌を食べる体力が残っている個体は、回復するケースが多く見られます。
与える餌は嗜好性の高いブラインシュリンプがおすすめです。
食べ残しは水質を悪化させるため、しばらくして食べていないようであればすぐに掃除しましょう。
水合わせをする
症状が改善したら、コリドラスを飼育水槽に戻します。
数日薬浴しただけでも水質は水槽内と変わってしまっているため、水合わせは行った方がよいです。
サテライト内の水ごとコリドラスをバケツなどに移動して、点滴法で水合わせを行い、飼育水槽に戻してあげましょう。
関連記事>>>【自作で簡単点滴法】コリドラス飼育におすすめの水合わせ方法を徹底解説
- 必要最低限のもの以外サテライトには入れない
- サテライトの蓋は必ず閉じる
- 薬は8割の濃度がおすすめ
- 薬浴中は部屋のカーテンは閉じ、照明はOFF
- 水換えは隠れ家の周りを重点的に底の汚れを取る
- 餌はブラインシュリンプがおすすめ
薬浴期間は魚病薬ごとに異なる
薬浴の期間は使用する薬によって異なり、強い薬の場合は短く、弱い薬の場合は長くなります。
投薬前に薬の説明書等をしっかりと読み、期間を理解した上で使用しましょう。
薬に記載された期間が経過しても、症状の改善が見られない場合は水換えで濃度を薄くしていき、2~3日休ませてから再度薬浴するとよいです。
もしくは、薬浴は終了し、しばらく塩浴で様子を見るのもよいです。
経験から学んだ薬浴中にやってはいけないNG行動
薬の濃度を濃くする
薬浴を開始しても、コリドラスが弱っていく一方で症状が良くならないことはよくあります。
そんなときに薬の濃度が足りないのではないかと考えて、決められた濃度より濃くするのは絶対にNGです。
コリドラスは魚病薬に弱く8割程度の濃度がおすすめで、どんなに濃くしても決められた分量以上の投薬は、薬によってコリドラスをさらに弱らせてしまいます。
餌をたくさん与える
餌を食べる元気があるのであれば餌を与えることは問題ありませんが、与えすぎは厳禁です。
食べ残しが水を汚したり、消化不良を起こして逆に調子が悪くなってしまう可能性があります。

水質が悪化すると隔離容器内で別の病気になってしまう可能性もあります。
コリドラスは5日程度であれば何も食べなくても問題はありません。
薬浴中は餌の量は普段の半分以下の少なめを意識するといいです。
コリドラスを驚かせる
コリドラスが病気になった場合、こまめに様子を確認するのは非常に良いことですが、様子を見るたびにコリドラスが驚いてしまうと体力の低下につながってしまいます。
観察はコリドラスのストレスにならないようにしましょう。
コリドラスを驚かせてしまいやすい行動は以下の通りです
- 夜中に様子を見ようと部屋の電気をつける
- 生きているか確認のためサテライトに衝撃を加える
- 部屋のドアの開閉などで大きな振動を与える
一度でも驚かせたらダメというわけではありませんがなるべく安静にできる環境を作ってあげましょう。
まとめ
この記事ではコリドラスの薬浴方法を紹介しました。
コリドラスは進行の早い病気にかかることが多く、魚病薬にも弱いことから、立て直しの難しい熱帯魚です。
しかし、早期に発見し、正しく対処すれば立て直せる可能性は十分にあるため、普段からよく水槽を観察し異変に気付くことが最も重要です。
薬浴はサテライトLではなく水槽でも可能ですが、サテライトは薬浴以外にも稚魚の飼育など幅広く用途があるため1個は持っておくと便利です。
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