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コリドラスの体表に白いもやもやがついているのは病気か知りたい
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水カビ病の治療方法を知りたい
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水カビ病の予防方法を知りたい
このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
実は水カビ病はコリドラスが発症する病気の中では治しやすい病気です。
なぜかというと病気の進行が遅く、症状を確認してからでも正しく対処すれば十分間に合うからです。
この記事では、過去に何度もコリドラスを水カビ病から立て直した経験をもとに、簡単にできる水カビ病の治療方法と水カビ病にならないための予防方法を紹介します。

この記事を読むと、水カビ病のコリドラスを治してあげることができるようになるよ。
水カビ病を発症したコリドラスの症状
水カビ菌は水槽の中に必ず存在する細菌で、傷口から感染することによって水カビ病は発症します。
発症したコリドラスは体表に白い綿のようなモヤができるのが特徴です。傷口から感染するため、モヤが発生する部位は口やヒレなど様々です。
コリドラスの体表に白いもやもやがあると思ったら水カビ病であると考えてほぼ間違いないです。
最初は気づきづらいですが、悪化するとどんどん広範囲に及ぶようになり、『背びれをたたむ』『餌を食べない』などの体力低下時の特徴も見られるようになります。
関連記事>>>【病気の早期発見に必須】元気がないコリドラスを見分ける13の特徴
放置しているとカビが広がっていき体力を奪われたり、エラまで広がって呼吸できなくなり死んでしまうので気づいたらすぐに治療を開始する必要があります。
水カビ病にかかったコリドラスの治療方法
コリドラスを隔離して薬浴する
水カビ病の治療には魚病薬が必要です。飼育水槽にそのまま投薬してしまうと水草やフィルターのバクテリアに悪影響があるため、コリドラスを隔離して隔離容器に投薬しましょう。
隔離容器を別途用意する必要がありますが、薬浴する必要のあるコリドラスが2匹以下の場合はサテライトLを使うと水槽を用意するよりも圧倒的に作業が楽になります。

3匹以上の薬浴もサテライトLを複数使えばできるよ。
サテライトLを使った薬浴方法は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事>>>サテライトでの薬浴方法
薬は薄めがいい
水カビ病の進行は早くないため、焦る必要はありません。
コリドラスは薬に弱いため、水カビ病の場合は病気の進行よりも魚病薬による体力低下を気にしたほうが良いです。
定められた濃度の7~8割程度になるように、一気に濃度を高めるのではなく時間をかけて徐々に高めるとコリドラスの負担を軽減できます。
餌は食べるようなら与えてよい
水カビ病は重症化していないうちは、発症していても餌を食べる元気がある場合が多いです。
薬浴には体力が必要なため、食べる元気があるなら餌を与えても大丈夫です。
ただし、隔離容器に水量が少ない場合は食べ残しが発生しない量を与えることが重要です。また、食べ残しが発生してしまった場合はすぐに取り除きましょう。

食べ残しを放置するくらいなら餌を与えない方がマシだよ。
餌を与える場合におすすめなのはブラインシュリンプです。嗜好性が高いため多少弱っていても食べてくれることが多く、栄養価も高いため体力を保ちやすいです。
また、ブラインシュリンプは多少食べ残しても隔離容器内で数時間生き続けるため、水を汚しづらく、後でお腹がすいたときに食べることができます。

経験上ブラインシュリンプを食べる体力のある個体は、病気が治る確率が高いです。
薬浴期間は1週間程度
病気の進行具合にもよりますが、水カビ病は投薬から1週間もすれば白いモヤが消えることが多いです。
しっかりと観察して体表のどこにも水カビが発生しておらず、元気に餌を食べるようであれば飼育水槽に戻しても問題ありません。
ただし、飼育水槽が水カビ病になりやすい環境のままではまた発症してしまうので、しっかりと水槽の予防をしてから戻すようにしましょう。
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水カビ病は隔離して薬浴で治療する
- 隔離容器はサテライトLを使うと楽
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魚病薬は濃度薄めがいい
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餌はブラインシュリンプの生餌がおすすめ
水カビ病は治る!実際に治した体験談
魚病薬に弱いコリドラスは一般的に病気からの立て直しが難しいと言われます。
しかし、水カビ病に限っては治る可能性は高いです。
私は今までに5回、コリドラスを水カビ病にしてしまい、治療した経験がありますが、死んでしまった個体はゼロ、現時点での治癒率は100%です。

もちろん重症化させてしまうと死んじゃうから、油断は禁物だよ。
普段からコリドラスをしっかりと観察し、落ち着いて正しい方法で対処すれば立て直せる確率は非常に高いです。
特に以下の2点がポイントだと感じています。
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餌に生餌のブラインシュリンプを与えること
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薬の濃度は時間をかけてゆっくりと濃くしていくこと

私は以下の薬のどちらかを使うことが多いです。
また、コリドラス・イルミネータスなどの一部のコリドラスでは、治っても、水カビが寄生していた部分の体色が変わったまま戻らないことがあります。

完治後も腹部の色は戻らなかったよ。
水カビ病の予防方法
水カビ菌は水槽の常在菌のため、水槽内を滅菌して予防することはできません。
水カビ病を発症する可能性が高くなるのは、コリドラスに以下の条件が当てはまった場合です。
- 傷口がある
- 体力が低下している
1.の対策は水槽内に傷を作る箇所をなるべく減らすことになりますが、流木やシェルターなど完全にゼロにすることは難しいです。
つまり2.での対策が好ましく、きれいな水で健康に飼育することが1番の水カビ病対策となります。
経験上発症の原因として最も多いのは水質悪化です。
水質悪化によりエロモナス菌などが増え、コリドラスは体が痒くなり、体を底砂や流木などに擦りつけるようになります。
擦りつけた部分は傷になり、水質が悪いとコリドラスの体力も低下するため、水カビ病を発症し重症化しやすい環境ができあがってしまいます。

水質悪化の予防法については以下の記事で解説しています。
関連記事>>>コリドラス水槽の水質悪化を防ぐコツ
また、水質が悪いとエロモナスやカラムナリスといった菌が水槽内に増えてしまい、これらの菌が引き起こす病気と水カビ病が併発してしまう場合もあります。
エロモナスやカラムナリスが原因菌となる病気は進行が早く、致死率が高いため、治療が格段に難しくなります。
水カビ病に対するQ&A
水カビ病は他の個体にうつる?
うつる可能性はありますが、あまり気にしなくてよいです。
なぜかというと同じ水槽内に水カビ病を発症した個体がいようがいまいが、水カビ菌は水槽内に必ず存在するからです。
コリドラスの体力が低下していれば発症しますが、元気な個体は発症しません。
対応としては、水カビ病を発症した個体は薬浴。発症していない個体はそのままで、水質悪化などの水槽の水カビ病発生の原因を対策します。
水カビ病は自然治癒する?
しないと考えたほうが良いです。
特に自然治癒に頼るメリットがないので薬浴しましょう。
自然治癒に頼ったがゆえに対処が遅れ、重症化して死んでしまう可能性の方が高いです。
コリドラスを飼育する上で病気の対処法はしっかりと覚えておかないといけない必須事項です。
しっかりと対処すれば治すことができる水カビ病は治療法を覚える良い機会です。

『病気を治したことがある』という自信にもつながります。
まとめ
コリドラスの体表に白いもやもやができたらそれは水カビ病の可能性が高いです。
コリドラスのかかる病気の中では治療すれば治る可能性が高い病気なので、焦らず落ち着いて対処しましょう。
水カビ病の予防には水質をきれいに保つことが最も大切です。
せっかく病気を治しても、水槽環境が改善されないと再び病気になってしまうので、普段の水槽管理を見直すようにしましょう。