- コリドラスの夏の水温管理方法がわからない
- クーラーはペルチェ式とチラー式どっちがいいの?
- クーラーがいいのか冷却ファンどちらにするか迷っている
- 夏の水温は何度に保てばいいのかわからない
コリドラスを飼育するにあたってこのような疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?
実はコリドラス飼育において夏の水温についてはそこまで敏感になる必要はありません。
なぜならコリドラスは極端な高水温は別ですが、そこまで高水温に弱い熱帯魚ではないからです。
温度よりも高水温に伴う溶存酸素量の減少の方が問題になることが多いです。
この記事では冷却装置の種類とコリドラス飼育におススメの冷却装置をご紹介します。
この記事を読むとそれぞれの冷却装置の特徴がわかって、コリドラスに適した装置を選べるようになるよ
結論としてはフィルターやエアレーションによる酸素供給と冷却ファンの組み合わせがおススメです。
冷却装置とは
冷却装置とは水槽内の水温を下げる働きをする装置のことです。
装置によって水温を下げる手法や効果、取り付け方や消費電力は大きく変わります。
近年では地球温暖化の影響もあり、熱帯魚といえど冷却装置なしでは日本の夏は乗り切れないため設置は必須です。
関連記事>>>コリドラス飼育に絶対必要なもの13選
コリドラス飼育においても次にご紹介するいずれかの冷却装置を導入して水温を下げる必要があります。
冷却装置の種類
アクアリウム用の冷却装置は大きくクーラーとファンに分けられます。
クーラーの中でも冷却方法によってペルチェ式とチラー式に分けられ以下のような特徴があります。
ペルチェ式クーラー
ペルチェ式クーラーはペルチェ素子という電流を流すことで冷える素子の特性を利用して冷却するクーラーです。
後にご紹介するチラー式と比べると本体価格が非常に安価で1~2万円ほどで購入することができます。
動作音も比較的静かなのですが、冷却能力はそれほど高くなく小型水槽向けのクーラーとなります。
商品自体は60cm水槽用までは販売されているのですが実際に60cm規格水槽に使用すると設定温度まで水温を下げられないことが多いです。
また、冷却能力が低いわりに月々の電気代は高く、長く使っていくランニングコストも考えると本体価格は高くてもチラー式を購入したほうがトータルコストでは安くなる場合も多いです。
本体価格が安いためペルチェ式を購入した人も冷却能力やランニングコストがネックとなりチラー式を買いなおすことが多いです。
正直あまりおススメはできないかな
チラー式クーラー
チラー式クーラーはフロンガスの気化熱を利用して冷却するクーラーです。
本体は高価で安いものでも3万円以上、高いものだと10万円を超えます。
動作音はペルチェ式に比べるとうるさくなってしまいますが、冷却能力は非常に高く、水槽に対して適正なサイズを設置していれば大型水槽でもしっかりと設定温度まで冷却してくれます。
ただし本体サイズは大きく、ある程度の設置スペースが必要になることと、本体周辺には放熱の関係であまりものを置けないというデメリットもあります。
水温の変化に敏感な生体を飼育する場合はチラー式クーラー一択になります。
お金はかかってもしっかりと冷やしたい人におススメのクーラーだよ
また、ペルチェ式・チラー式に共通して言えることですが装置内部で発生した熱を外に放熱するため、水槽の水温は下がっても水槽が置いてある部屋の温度は上がってしまうというデメリットがあります。
熱帯魚は涼しくても人は暑くなっちゃうね
冷却ファン
冷却ファンは水槽水面に風を当てることで飼育水を気化させ気化熱で冷やす冷却装置です。
ファンで風を当てるだけのシンプルな構造のため非常に安価で60cm水槽用でも3000円前後、小型水槽用だと1000円前後で購入することができます。
しかし、動作音はうるさいので水槽がテレビのすぐ近くや寝室にあると気になってしまう場合があります。
冷却能力も高くはなく、-3℃程度の効果のため過度な期待は禁物です。
設定温度は高くてよいので室内にエアコンを効かせておくと室内の湿度が下がるため、冷却ファンにより飼育水が気化しやすくなり、冷却効果は上がります。
冷却ファン未設置時に比べて飼育水の蒸発量が増えるので定期的に足し水をするなど対策が必要です。
コリドラス水槽の冷却装置の選び方
冷却装置の種類と特徴を考慮したうえでコリドラス飼育に相性の良い冷却装置の選び方をご紹介します。
コリドラスは高水温に弱いわけではない
熱帯魚用ヒーターは26℃に設定されているため26℃まで下げたいと考えがちですが、そんなに下げる必要はなくコリドラスは30℃を超える水温でも食欲も落ちることなく健康に過ごすことができます。
常に水温が高いと体調を崩しますが昼間の暑い時間帯では一時的に32℃まで連日上昇してもまったく問題はありません。
とはいえ近年の日本では気温が35℃を超えることも珍しくなくなってきているので水温を下げるために冷却装置の設置は必須です。
さらに水温が上がると水中の溶存酸素量が減少するためコリドラスに悪影響を与えます。
水温が30℃を超えても問題ないのは次に紹介します溶存酸素量の対策をしっかりと行った場合に限ります。
注意すべきは溶存酸素量
溶存酸素量とは水中に溶けることができる酸素の量のことです。
溶存酸素量は水温が上がるほど少なくなっていくので高水温なほど水中に溶け込める酸素の量は少ないということになります。
水中の酸素量が少ないと以下の2つのデメリットがあります。
-
過密飼育をしている場合にコリドラスが酸欠になる
-
フィルター内のバクテリアが酸欠になり死んでしまう
1つ目のデメリットは過度な過密飼育でない限り酸欠でコリドラスが死に至るような事態にまで発展することはないですが、注意しなければならないのは2つ目のデメリットです。
バクテリアは水の流れがあり酸素の豊富な場所を好んで繁殖します。
水温の上昇により水中の酸素量が低下するとコリドラスには影響がなくともバクテリアの一部は死んでしまい数が減少します。
一部の死んでしまったバクテリアの死骸は水を汚しますが綺麗にする生きたバクテリアの数は減少してしまっているため水をろ過しきれずに水質はどんどん悪化していくという悪循環が発生します。
そして最終的にはコリドラスにも影響を及ぼすほどの水質になってしまいます。
対策としては以下の4つを行う必要があります。
-
過密飼育をしない
-
フィルターの設置方法を工夫したり、エアレーションを設置することで常にその水温の最大まで酸素が溶けている状態を維持する
関連記事>>>コリドラス飼育におススメのフィルターとメリット・デメリット -
サブフィルターを設置してろ過能力を高める
関連記事>>>コリドラス水槽におススメのサブフィルターはどれ? -
定期的に水替えを行う
関連記事>>>最適な期間はどれくらい?コリドラス水槽の水替え頻度の考え方 -
冷却装置で水温を下げて溶存酸素量を増やす
コリドラス水槽において冷却装置の役割はⅳのみなのでⅰ~ⅴすべての対策を行う必要があります。
サーモスタット付き冷却ファンがおススメ
コリドラス飼育において前項のⅰ~ⅴの溶存酸素対策をしていれば水温は30℃を多少超える程度までは問題ありませんので、冷却能力の高い装置は必要ないことがわかります。
そのためコリドラス飼育における冷却装置は本体が安価であり、ランニングコストも安い冷却ファンがおススメです。
冷却ファンを設置すると3~4℃水温を下げることができるため、過度な高水温を下げて溶存酸素量を上げることができます。
冷却ファンはサーモスタット付きとそうでない商品があるため、必ずサーモスタット付きの商品を購入しましょう。
サーモスタットは水温を常に監視し、商品によって設定された水温(25℃が多い)になると自動的に冷却ファンの電源を落として冷やしすぎを防いでくれます。
また、以下のことが当てはまる人はチラー式クーラーを購入するのがおススメです。
-
夏は特に高温になる地域に住んでいる
-
溶存酸素対策に不安がある
-
水温に敏感な生体と混泳させたい
初期投資はかかってしまいますがしっかりと水温を下げてくれるため安心ですし、飼育できる生体の幅も広がります。
まとめ
-
極端な高水温
-
水温の上昇に伴う溶存酸素量の低下
夏のコリドラス水槽において気を付けなければならないのは上記2点です。
溶存酸素の対策をしっかりとしておけば30℃を少し超えた程度ではコリドラスが体調を崩すことはありません。
30℃前後であれば熱い地域、湿度の高い地域でなければ冷却ファンで十分下げられる水温なので、コリドラス水槽の冷却装置としてはサーモスタット付きの冷却ファンが本体価格、ランニングコストともに安くおススメです。
冷却ファンでおススメの商品はテトラのCFT-60Wで、この商品だけで小型水槽から60cm規格水槽まで対応することができます。
サーモ内臓でないCF-60Wと間違えないようにね
また、以下の条件に当てはまる人はチラー式クーラーがおススメです。
-
夏は特に高温になる地域に住んでいる
-
溶存酸素対策に不安がある
-
水温に敏感な生体と混泳させたい
チラー式クーラーでおススメなのはゼンスイのZR-miniです。
チラー式クーラーの中では安価であり、水量も180Lと大型水槽まで対応しています。
本体も比較的コンパクトで冷却能力も申し分なく、しっかりと水温を下げてくれます。
それぞれの飼育方法に合った冷却装置で夏を乗り切りましょう。
というわけで、みなさまのよいコリドラスライフを祈っております。